『「計画的付与」を行うための手続き方法』についてもっと詳しく解説
「高樹さん、そもそも、本来の『有給休暇の計画的付与』の制度を知っていますか?」
「名前とか、おおまかな所は知ってるけどね。この会社ではその計画なんちゃらとやら、今まで使ったことなかったからねぇ・・・よくわからないの。めぐみちゃんは知ってるの?」
「私もよくわからないんです・・・。以前労働者代表の島田さんが、会社と書面協定を結んで一斉休暇したことありましたが、あれのことですか?」
「そういえば竹田さんは、あの時書面を作成することに関わったんでしたね。おおまかに説明していきましょう。2019年の有給休暇義務化によって脚光を浴びていますし、いい機会ですね。」
会社と過半数労働組合(社内に組合がない場合は、労働者の過半数を代表する者)との書面による労使協定で成立する
計画的付与の制度は、事業場の過半数労働者で組織される労働組合と使用者との労使協定にて成立します。その場合は、労使協定は書面で結ばないといけません。その事業所に労働組合が存在しない場合は、事業場の労働者の過半数を代表する者との労使協定によって成立させることができます。
労使協定に定める内容
労使協定には、以下の項目を定めることが考えられます(【基発1号:昭和63年1月1日 基発0518第1号:平成22年5月18日】)。
- 事業場全体の休業による一斉付与の場合には、具体的な年次有給休暇の付与日
- 班別の交替制付与の場合には、班別の具体的な年次有給休暇の付与日
- 年次有給休暇付与計画表による個人別付与の場合には、計画表を作成する時期、手続等
社長一族が経営しているような中小・零細企業においては、社内に労働組合など無い場合が多く、このような会社では過半数代表者との締結がメインの方法となっているようです。過半数代表者の選出は、挙手等の手段で決められるようですが、現実は経営者が勝手に選んだ都合のよいイエスマン的な者が代表者となり、労使協定も労働者の関与しない場所で勝手に結ばれているのが現状です。
中小・零細企業におけるこのような現状が、労働者にとって不利益な有給休暇取得のケースにつながる可能性を生じさせます(後述)。
『「計画的付与」成立した場合どうなる?(効果)』についてもっと詳しく解説
一斉付与の労使協定が成立した場合、協定内容に反対の労働者(少数労働組合)にも効果が及ぶ
「計画的付与の手続きに続き、成立した際の効果なんですが・・・少し言いにくいですが・・・」
「何?イエスマンの島田が、また私たちに悪い影響でも及ぼすというの?」
「センパイ・・・それ言い過ぎじゃ・・・」
「だってそうでしょ!?三六協定の時だって、いっつもあの人じゃない。協議なんてしてないでしょ?」
「・・・たとえほとんどの従業員が労使協定で定めた計画年休に反対の意見を唱えたとしても、労働者代表との書面による協定の内容は、全従業員に効果を生じさせます。つまり協定で定められた日に、有給休暇を『取らされる』のです。」
「えっ!ってことは、島田が協議もなくハンコ押したら、そこで決められた日に強制的に取らされちゃうの?」
「・・・・言いにくいですが・・・そうです・・(汗)」
「・・・それって、島田さんを代表者として選んでない人もですか?」
「・・・そうです・・。例えば、労働者の過半数が所属する労働組合が書面による協定で会社と計画的付与の合意をした場合、協定を結んだ組合に所属していない労働者も、計画的付与の対象となるくらいですから」
「ありえない・・・聞かなきゃよかった(怒)」
「・・・・よって、労働者の過半数を代表する者を選出する時の選出方法とかは大変重要となってきます。それについての対策はまた説明しますよ。とにかく我が組合が、この会社の従業員の過半数が参加するようになれば、島田さんと会社のやりたいようにはならないのですが・・・」
「それって・・・けっこういばらの道だわねぇ・・・。世良美さん、頑張ってね!」
成立した労使協定は、計画的付与に反対の労働者や、協定に反対の少数労働組合の組合員にも効果が及ぶ、というのが裁判所の考え方です。労使協定において有給休暇を一斉に取得させると合意した日に、個々の労働者の意図に関係なく、有給休暇を取らされることになるのです。
下の判決文を見てください。この裁判は、事業場において多数派労働組合(当事業場全体の98%の労働者が加入)と会社が結んだ労使協定によって決められた有給休暇に一斉消化日について、少数派労働組合の組合員にその効力が及ぶか?という争点で争われた事件です。文中の「長船労組組合員」は、少数派の労働組合を指します。
「・・・本件計画年休は、その内容においても、事業所 全体の休業による一斉付与方式を採用し、計画的付与の対象日数を二日(平成五年 からは、四日)に絞るとともに、これを夏季に集中することによって大多数の労働者が希望する一〇日程度の夏季連続休暇の実現を図るという法の趣旨に則ったものであり、現時点において年休取得率の向上に寄与する結果が得られていると否とを問わず、本件選定者ら(長船労組組合員)について適用を除外すべき特別の事情があるとは認められない以上、これに反対の本件選定者ら(長船労組組合員)に対し ても、その効力を有するものというべきである」【三菱重工業長崎造船所事件:福岡高判 平成6年3月24日】
本判決に対しては、98%の労働者が加入している多数派労働組合が結んだ労使協定とはいえ、意思に反した合意内容を少数派労働組合の組合員にまで及ぼしてしまう判断に批判的な意見もあります。しかし、締結に至るまでの過程が適切であったこと・多くの労働者の希望に叶う合意内容であったことなどを理由に、少数派組合員に効力が及ぶ帰結させたものだと考えられます。
判決文中における「特別な事情」ですが、本判決も含めた幾多の裁判例を見てもはっきりと示されていません。ここで、当事件の第一審判決文を見てみましょう。
「労基法の規定に基づき、労使協定により年休の取得時期が・・・特定されると、その日数について個々の労働者の時季指定権及び使用者の時季変更権は当然排除され、その効果は・・・事業場の全労働者に及ぶが、その協定に反する少数組合がある場合には、少数組合員を協定に拘束することが著しく不合理となるような特別の事情があったり、協定の内容が不公正であったりするときは、少数組合員に及ばないこともある」【長崎地裁判 平成4年3月26日】
第一審でも、「特別な事情」についての具体的言及はありません。本判決中における「協定の内容が不公正であったりするとき」も含め、その内容を争うときは、個々の裁判において各事件内容に沿った判断がその都度なされる、と考えた方がいいでしょう。
以下は行政通達となります。より踏み込んだ記述ではありますが、この通達においても、「特別な事情」に関する具体的な内容は示されていません。
「・・・特別の事情により年次有給休暇の付与日があらかじめ定められることが適当でない労働者については、年次有給休暇の計画的付与の労使協定を結ぶ際、計画的付与の対象から除外することも含め、十分労使関係者が考慮するよう指導すること。」【基発1号:昭和63年1月1日】
よってここでは、事業場において多数を占める労働組合が、適切な手続きによって使用者と有給休暇計画的付与の労使協定を結んだ場合には、少数派労働組合の組合員やそれ以外の労働者(どの組合にも属していない労働者)にもその効力が及ぶことがある、と認識しておきましょう。
これらの裁判例を鑑みると、計画的付与されることを拒否するためには、「多数派労働組合と会社との間で成立した労使協定の内容・手続き等の不適切さの主張」と、「自身にとって計画的付与されることが不都合な事実を『特別な事情』として主張していくこと」の2点に力を入れていくことになります。
この裁判前例は、多数派労働組合が会社のご都合主義的組合(御用組合)である場合に、問題を起こします(後述)。
労使協定成立後は、労働者の時季指定権・使用者の時季変更権は行使できなくなる
労使協定が成立すると、計画的付与の対象となった労働者は、時季指定権を行使できません。つまり協定で付与日とされた日に、有給休暇を必ず取らなければならなくなるのです。逆を言いますと、協定成立後、付与日に使用者が労働をさせたくなっても、それはできなくなるということになります。以下は、そのことを示した行政通達です。
「計画的付与の場合には、第39条第5項の労働者の時季指定権及び使用者の時季変更権はともに行使できない。」【基発150号:昭和63年3月14日】
『「計画的付与」を行う際の制約』をもっと詳しく解説
大原則:「5日」を超える部分についてのみ「計画的付与」の対象となる
「まず、皆さんが持っている有給休暇のうち、「5日」を超える部分についてのみ「計画的付与」の対象となります。この5日分については、労働者だって日にちを指定して取らなければならかったりするためです」
「当然よね、5日だけは神聖不可侵、ということなのね。」
「まぁ、そのようなことですね。労働者にも取りたい日というものあるし、その5日すら計画的付与という名のもとに会社に日にちを決められたら、好きな時に取ってリフレッシュする、という有休休暇の狙いの半分が無くなってしまうからです」
「5日の最低確保か・・・少ないくらいだけどね。そもそもこの会社の社員ども、有給休暇すら取らないけど。」
計画的付与の労使協定といっても、全ての日数を計画的付与の対象日とすることは出来ません。労働者個人が私的な利用で使用するためにも、最低5日は残しておかないといけません。
有給休暇の趣旨に照らしてみても当然の制約であると思われます。いくら労働組合が日にちの決定に関与するとしても、所属労働者の細かい希望までも反映させることは当然難しいものです。
全部の日数を組合と使用者に決められてしまっては、労働者個人の私的な用事の場合に有給での休暇を取ることができなくなり、経済的な不利益を被る可能性も出てきます。「5日」を超える日数を保有していない労働者にどうしても計画的付与をしたい場合(例:事業場内の全労働者に一斉に計画的付与をしたい場合)は、付与日数を増やす・特別休暇を与える、などの措置が必要となります(後述)。
意外とわかりにくいこの決まりについて、以下で具体的に説明しましょう。
入社してから6カ月を経過していない通常の労働者のケース
入社してから半年未満の労働者を含めて一斉に計画的付与を行おうとした場合、この労働者には有給休暇が付与されていないため、原則計画的付与の対象労働者とすることができません。この労働者には、特別休暇を与えるなどの措置が必要です(後述)。
比例付与方式で有給休暇が「5日」しか与えられないパートタイム労働者のケース
有給休暇を「5日」しか保有していない比例付与のパートタイム労働者がいたとします。「5日」を超える休暇日数を保有していないため、計画的付与の対象労働者とすることができない、ということなのです。例えばこの労働者が次の基準日に「6日」を付与された場合は、1日だけ5日を超える日数があるため計画的付与の対象労働者とすることができます。
「5日」を超える日数がない労働者がいる場合に一斉に計画的付与する方法
「世良美さん、わたし・・・有給休暇すらまだもらってないのですが、一斉付与の場合どうなるんですか?無給休暇とか・・?」
「そうようねぇ、さくらちゃん、まだ半年たってないもんね。経理課のれい子ちゃんもそうだよねぇ。どうするの?」
「後藤(さくら)さんのような人の場合には、特別の休暇が与えられたり、有給休暇が一斉付与分を与えられたうえで付与されたりします。・・・また、一斉付与の対象労働者から外される、という措置も考えられますね。」
「この会社のことだから、計画的付与の時、さくらちゃんは外されるかもね。そうしたら、出勤ってこと?」
「そういうことになりますね。あと・・もし一斉付与で仕事ができず、よって結局後藤さんも休みになるなってしまうなら、無給休暇、ということにはなりません。会社の都合で休むことになってしまったわけですから、会社は後藤さんには『休業手当』というものを支払う必要があります。」
「休業手当、ですか?あの、労働基準法で書いてある?」
「そうです。『休業手当』とは、簡単にいえば、一定期間を平均した一日当たりの賃金額の60%の金額のことです。平均した賃金が1万円であったならば、その60%にあたる6,000円が休業手当となりますね。」
「いずれにしても、普通に有給がある場合に比べると、少ないような気がするわね。なんだか休みになって損するような感じだね、さくらちゃん。」
「・・・・・」
「5日を超える部分の有給休暇を持っていない労働者に『休業手当』が支払われる場合が、もう一つあります。それは、特別休暇や有給を増やす措置をとらないで、一斉に全従業員に計画的付与を実行した場合です。このような場合、5日を超える有給休暇を持っていない労働者には、法律の定めに従い、休業手当を支払う必要があります。」
「さくらちゃんにとっては、計画的付与は不利ね。世間的には、休業手当で済ませる傾向が強いのですか?」
「実は意外と・・・有給休暇をとった時支払われる金額で支払われるケースのほうが多いんですよ。それは太っ腹、で支払ってくれるからではなく、休業手当の計算が手間だから、という理由が大きいようですね。」
「このケチ会社だと、手間よりお金をケチりそうで怖いけどね。」
事業場全体で一斉に計画的付与を行使しようとすると、2つの問題が出てきます。「5日」を超える有給休暇日数を保有していない労働者への対応の問題、そして「5日」を超える部分があっても計画的付与予定日数分に、その超えた部分の日数が足らない労働者への対応の問題です。
その場合には、何ら措置をしないままに計画的付与を断行することはできません。でないと、私的利用のために留保されるべき5日分を、その労働者は確保できない等の問題が生じるからです。それはれっきとした労働基準法違反となります。
その場合の対応策としては、以下のものが挙げられます。
措置をして計画的付与をする場合(有給休暇の付与日数を増やす・特別休暇を与える・対象労働者から外す)
有給休暇の付与日数を増やす
有給休暇を新たに与えて「5日」を超える部分を作り出し、超えた部分について計画的付与をする措置です。
「5日」を超える部分がない労働者とは、入社後6か月を経過しない労働者である場合が多いものです。よって「新たに有給休暇を与える」という措置よりも、「6か月に至る前に、前倒しで有給休暇を付与する」という措置が取られることが一般的です。
前倒しで特定日(よく使われる日が「入社日に付与」)に10日付与されたとすると、5日を超える部分が生まれるため、その労働者にも計画的付与をすることができます。
このような措置を採る場合には、就業規則の計画的付与の部分に、当該特例措置が可能であることがあらかじめ規定されていなければなりません。
「特別の休暇」を与える
「5日」を超える日数を持たない労働者、または「5日」を超える日数を持っているが計画的付与する日数には足らない労働者に対し、特別に休暇を与える措置です。
「特別の休暇」というフレーズですと、使用者による恩恵的措置による休暇というイメージが湧きますが、それは違います。計画的付与をするうえで、労働基準法の定めに違反することを回避するために使用者がしなければならない義務的措置です。
よって、「特別の休暇」に与えられる金額は、労働基準法第26条の規程による「休業手当(後述)」の金額を下回るものであってはならないと考えられます。使用者の胸三寸で特別の休暇において支払われる金額が決められてしまっては、有給休暇の権利を持たない労働者は計画的付与によって休むたびに低い金額をつかまされる可能性が生じ、収入において不安定な立場に置かれてしまうからです。
「特別の休暇」を与える場合にも、就業規則の計画的付与の部分に、「特別の休暇」を与えることがあることがあらかじめ規定されている必要があります。
この方法を採る場合の方が、付与日数を増やすよりも余分な人件費が生まれない点で会社にとって有利です。つまり、有給休暇がない労働者や5日を超える部分を持たない労働者には、計画的付与予定日数分を特別休暇として与えればよいのです。また、超えた部分はあるが、超えた部分が計画的付与予定日数分に足らない労働者には、足らない分を特別休暇として与えればよいことになります。
「5日」を超える日数がない労働者を計画的付与の対象労働者から外し、斉一的付与そのものを断念する
この方法が、実はもっとも現実的な措置となります。上記ふたつの措置は、中小企業や零細においては、ほぼ採られない措置です。もっとも、この措置をすれば、もはや斉一的付与とは言えなくなりますが。
しかし「5日」を超える日数がない労働者を計画的付与の対象労働者から外してしまえば、新たに休暇など与える必要もないため簡単であり、使用者としても余分に人件費を払うこともなくなります。
何ら措置をせずに斉一的に計画的付与をする場合(該当労働者に「休業手当」を与える)
以下の3つのケースの労働者に、措置をせず休ませる場合に使用者が支払うべき金額の最低額は、「休業手当」相当額(平均賃金の6割相当)となります。
- 有給休暇がない労働者
- 有給休暇を保有していても、「5日」を超える部分がない労働者
- 「5日」を超える部分を有していても、超える部分の日数が計画的付与予定日数分に足らない労働者
この3つのケースの労働者に対しては、事業場内において斉一的な計画的付与の際、有給休暇の付与日数を増やす・特別の休暇を与える等の措置をしなければなりません。そして措置をしないままに計画的付与で休ませる場合には、最低限支払う額として「休業手当」を支払わなければなりません(【昭和63年3月14日・基発150】)。
そもそも、休業手当とは、労働者に原因がなく使用者側の都合で休まされる場合、得られるはずであった賃金の補償的意味合いで労働者に支払われるものです。その額は「平均賃金の6割相当分」を支払うものとされています。※この金額は最低のものであるから、これを上回る額を支払っても良いことになります。
よって、あなたの場合において支払われる休業手当の金額を知るためには、まず最初に平均賃金の額を割り出さなければなりません。
平均賃金の算出方法については、未払い賃金請求の際にも役立つ!有給休暇の賃金計算方法 で詳しく解説をしていますので参考にしてください。
『「計画的付与」の付与方式(与える方法)』をもっと詳しく解説
付与方式には、主に以下の3つの方式が考えられます。もっともよく使われる方式が、班別(部署別)付与方式です。
一斉付与方式については、従来あまり使われる方式ではありませんでした。しかし有給休暇義務化制度が2019年より発足してから、年間稼働日数を増加させ、増加させた分を有給休暇一斉付与とするという手段を使って悪法する方式で、思いがけず利用されることとなりました(後述)。
労働者に一斉にあたえる「一斉付与方式」る
事業場全体を一斉に休みにしてしまう方式です。全ての労働者に同一の日に有給休暇を与える方式です。
工場稼働を一斉に止めることが出来るので、経費の節約にもなります。2019年4月からの有給休暇義務化の法制度が新設されたことによって、義務的付与を果たしていない会社の虎の子の手段としても期待されているようです。
班別(部署別)にあたえる「班別(部署別)付与方式」
労働者全体をグループにわけたり、又はそれぞれの労働者の班ごとに区切って計画年休を与える方式。班ごとや部署ごとに繁閑の差が出る時は、合理的な付与方式かもしれません。
個人ごとに与える「個人別付与方式」
個人ごとに計画年休が設定されます。個人の私的な用事などを考慮して計画が組まれるようです。
私の経験として、大きな企業に勤めておられる労働者の方に多く見られました。まだまだ中小・零細企業では見られません(有給休暇を使われることにマイナス反応をする使用者がたくさんいます)。
実際多くの職場で行われている個人付与の流れは以下の通りです。個人の希望も聞かずに労使協議による労使協定を結ぶだけでは、労使の合意に基づく計画的付与の法の狙いから離れることになってしまいます。「労働法」 (法律学講座双書)の中では、この制度のことを「年休カレンダー方式」と呼称しています。
まず年初に、会社側が作成した休暇希望日記入式カレンダーへ労働者が記入するという形で会社側が各労働者の取得希望日を調査します。カレンダーは使用者側労務担当者によって管理されます。カレンダーを参考にして、各労働者ごとに、計画的付与対象日が決定されます(下図参照)。
有給休暇義務化に伴う、計画的付与悪用の可能性。年間休日の減少(不利益変更)に要注意!
「ちょっと世良美さん!見てこれ!」
「来年の・・・会社年間カレンダーですね・・・何かあったのですか?」
「あるも何もないわよ!年間休日が5日も減っている!冗談じゃないわよ・・・!」
「5日?それって・・・ひょとして・・・・」
世良美は、高樹の差し出した来年の会社カレンダー表と今年の会社カレンダーを見比べた。確かに年間休日が、115日から110日に減っている。
「これは・・・・有給休暇付与の義務化を受けての、稼働日数確保と人件費抑制のための、姑息な手段かもしれません。」
「何よ、それ?」
「2019年4月から、有給休暇の義務化の法律改正がありましたよね。」
「あったわよねぇ・・・。有給を5日取ってない人に、会社が勝手に日にち決めて与えるってやつだよね。私、そんなの絶対嫌だから、即効で5日取っちゃうけどね」
「本当は、会社が労働者の希望を聴いたうえで与える、っていう前提があるんですが・・・なかなか」
「この会社がそんなルール守るわけないじゃない。ただでさえ、有給取るのにめんどくさいこと言われるんだから!」
「この制度が発足した時、確実に有給休暇を5日与えなければならないことを嫌がった経営者が、年間稼働日数を5日増やし、増やした箇所について有給休暇を与えて休ませる、という手段を使うことがありました。」
「そんなん、なんの意味もないじゃない。今年であれば堂々と休める休日が、有給休暇としての休みにされちゃって、結果、手持ちの有給が5日減るってことよね?おかしくない!?」
「年間休日は、労働条件の中で、変更に際し労働者の同意が必要な重要な項目である『休日』に属するため、年間休日を労働者の同意なく勝手に減らすことは、同意なき不利益変更となります。」
「そんな・・・許せない・・・」
「休日などの重要な労働条件の変更については、労働者の同意のほかに、会社内の労働組合との同意によっても変更することが可能です。しかし今回、会社から組合に、そんな話し合いの機会は与えらえませんでしたね。よって、今回の年間休日の変更は、不当な不利益変更となりますね。」
「世良美さん、これからどうするの?」
「そうですね、取り急ぎ、他の不満項目を洗い出し、それらと併せて、団体交渉を仕掛けましょう。今回の年間休日の変更は、恐らく有給休暇の義務化に対抗する意図がありますから。その辺を掘り下げて追及していきます。」
「次から次へと・・・・ほんとに世良美さん、大変ねぇ。でも、頼もしいわよ」
「ありがとうございます・・・。会社が、選出した労働者代表と協議して年間休日を変更したと言ってくる可能性もあるため、選出方法の不当性もないか、先に言及してけん制しておきましょう。」
「ああ・・あのイエスマンの島田ね。私あの時、しっかりと不信任にしたからね。ほんっと、情けない!」
2019年からの有給休暇義務化制度の発足に伴って、計画的付与の制度が注目を浴びるようになりました。
この制度、労働者が従来の方法(自ら時季を指定して取得する方法)で有給休暇を取得している場合や、労働組合と会社の取り決めによる計画的付与で有給休暇を取得している場合は、その分を「5日」から控除することができるからであります。
つまりこの計画的付与制度によって労働者に有給休暇が5日以上与えられれば、会社としては有給休暇を取らせる義務を免れることができます。
問題はここからであります。会社内で過半数を占める労働組合が御用組合(会社の言いなりの組合のこと)で、会社が会社カレンダーで例年休みであった時期を出勤日とし、そしてその労働組合と労使協定を結んでこの期間を計画的付与による一斉休業と期間としたらどうでしょうか。使用者は会社の稼働日を実質減らすこともなく、労働者に有給休暇を取らせる義務を免れることができるのです。
労使協定締結による計画的付与は、計画対象日が出勤日(労働日)であることが必要である(【昭和63年3月14日・基発150】)ため、従来休みであった日を出勤日にしたうえで、御用組合と労使協定を結び、さも計画的付与がなされたような体裁を整えるのです。
このような姑息な手段を野放しにさせないためには、まず年度始めに配られる会社カレンダーにおける年間休日をチェックします。増減はないか、年間稼働日数が増加したいるならば、増加した期間について会社側と労働組合で話し合いが為されているかどうかを判断します。
会社カレンダーにおける年間休日を減らすことは、「休日」という重要な労働条件を一方的に変えてしまう「労働条件の不利益変更」行為のなにものでもありません。個人だけで就業規則の変更について、不利益変更だとして改めさせるのは至難の技であります。外部労働組合(合同労組)に加入し、その労組の支部を社内で作り、会社カレンダーの一方的変更に対し団体交渉をするのが王道となります。
会社の勝手にさせないための「計画的付与」の手続き方法
「世良美さん、議論、盛り上がってますね。」
「あ~ら!?水樹さんじゃない!今日もどうしたの?私の顔、見たくなったとか?」
「もちろんですよ、高樹さんの元気に時々触れないと・・皆さんと同じ気持ちです」
「悠作、今日はこの会社での労働者代表選出について、打開策を話し合ってるんだ、計画的付与なんだが、セラビ組合が過半数労働者が参加してないだろう?それで社内の従順な人間が労働者代表になって、議論なしで会社の意向がまかり通ってしまうんだ」
「難しい問題ですが、まず選出方法の無記名投票の選挙化から始めるといいと思いますよ。今度の団体交渉で、その点を交渉するのがいいでしょう。今は何の選挙もしてない状態ですよね」
「無記名による選挙となれば、例えば自分が立候補した時、何票かが自分に流れる、ということか。」
「そうです。まだエイコーツールは、労働組合があるから良いですが、ない会社では、労働者代表に有志が立候補するだけで、解雇になったりしますから。」
「ええっ!?そんなことあるんですか?」
「恵美ちゃんは知らないかもだけど、以前この会社ではそんなこと当たり前だったのよ」
「ひどい・・・・・」
「労働者代表の公平な選出は、三六協定の締結や、今回の計画的付与において、労働者の身近な生活にダイレクトにかかわってくるだけに、重要なんですよ。意外と軽視されていますが。労働組合がない場合は、事前に合同労組に入って、解雇に対する備えをしてから立候補したりします。」
「たいへんねぇ・・・・。でもわが社は、世良美さんのおかげで、暗黒時代は過ぎたけどね。」
「ははは・・・なんだか照れますね・・・。」
計画的付与の制度は、労働組合・労働者の過半数代表が関与する、労働組合関連の制度です。よって、労働組合を作る・合同労組(外部労働組合)に加入する、ことを前提に話を進めます。個人の力だけで、会社ですでに行われている制度・仕組み・慣習に反抗することは現実的でないからです。
- ステップ1:社内にすでに労働組合がある場合は、その組合の機能的能力(使用者と対等に協議ができるか)を見極める
- ステップ2:過半数代表者に立候補する者は後日労働組合を結成することを前提として、合同労組に加入し、立候補に対する不当な扱いに備える
- ステップ3:過半数代表者選挙にのぞむ
- ステップ4:選出された場合は労働者の声をくみ上げた労使協定の締結を目指し、されなかった場合は労働組合結成に向けての準備をする
社内にすでに労働組合がある場合は、その組合の機能的能力(使用者と対等に協議ができるか)を見極める
あなたの所属している会社に労働組合があるならば、その組合が、労働組合が本来果たすべきであった役割を担っているかを厳しく調べます。
そもそも御用組合(会社とのなれ合いの組合)は、使用者と団体交渉などしません。団体交渉と労使協議は、行われるタイミングがまったく違います。団体交渉は、労使協議決裂後や、労働者に対して不当な扱いがなされた場合に、組合が圧力をかけつつ話し合いをするために行われる団体行動権です。
あなたの会社の組合が御用組合であったならば、その組合に入ってからかき乱すか、合同労組に加入して交渉力を鍛え、自ら代表者選出に立候補するか?を考えないといけません。
御用組合であっても、組合が存在する以上はその中で上に上がっていく方法が労力が少ないと思います。ただ、抗戦の意思を打ち出したことで組合内部の人間に疎まれるならば、その組織はイエスマンのたまり場であるため、見切りをつけて新しい組合を結成した方が得策です。
過半数代表者に立候補する者は後日労働組合を結成することを前提として、合同労組に加入し、立候補に対する不当な扱いに備える
過半数代表者に立候補するくらいならば、最初から社内で労働組合を結成すればよい、という考えもあります。しかしブラック企業において労働組合を結成するのは、口で言うほど容易な作業ではありません。激しい嫌がらせを受ける可能性があります。
過半数代表者に立候補するくらいであれば、組合を結成するよりもはるかに体力の消耗が少なくて済みます。しかし、過半数代表者に立候補するだけをもって「口ごたえ」と取る使用者もかなりの数でいるため、先んじて合同労組に個人加入しておくのです。後日社内で組合を結成する可能性もあるため、ここで加入しておくことは、将来への布石となるでしょう。
まずは、労働者代表にふさわしい人間像を述べていきます。
労働者代表にふさわしい人間とは?勤続年数や熟練度は関係ない
過半数代表者にふさわしい人間とは、必ずしも年長者のベテランであることを必要としません。ふさわしい人間の要素を以下に挙げておきました。逆を言えば、以下の要件を満たしていない者は、ベテラン年長者であってもふさわしくない(務めを果たすことができない)ことになります。
- 会社の経営陣側とのしがらみが少ない労働者
- 経済的余力のある(給料が少なくなっても生活できる)労働者
- 他人からの批判や拒絶に動じない労働者
- 勉強し続けることができる労働者
過半数代表者の人選は非常に重要です。もし過半数代表者を立てることが、労働組合の前段階であるならば、組合設立時に過半数代表者は、そのまま組合長や執行委員になる可能性の高い人物でもあります。
会社の経営陣側とのしがらみが少ない労働者
会社の経営陣側とのしがらみが多い人間は、話し合いの過程でどうしても妥協が多くなってしまいます。
労使協定の締結作業は、労使の話し合いのうえに成り立つものである以上、労働者側にもある程度の妥協は必要となります。しかししがらみの多い人間は、相手に対する遠慮から妥協をし過ぎ、労基法に定められた最低基準を下回るような合意をしてしまう可能性も生じます。
経営陣側との人的つながりがあることは、時に有利となります。しかしいくら話し合いが和やかであっても、法に定めた基準を満たさない要求は、断固拒否する意志の強さが必要となります。
経済的余力のある(給料が少なくなっても生活できる)労働者
一族経営の中小・零細企業においては、労働組合は蛇蝎のごとく嫌われます。それは使用者の選任した場合以外の労働者代表(自ら立候補した者・労働者の自由意思によって選ばれた者)でも同じことです。会社の政策に立てつく者として、十中八九、排除の対象になります。
会社は、己の意に沿わない者を、全く畑違いの部署に配置転換したり、家族生活を正常に送ることができないような遠隔地部署に転勤させます。そして移動先で無理なノルマを課し、達成できないと叱責を繰り返し、その者の承認の欲求を踏みにじり、自ら退職させるように仕向けます。私のいままで見てきた嫌がらせは、このような手段ばかりでした。
この場合、排除の対象となった労働者に残された道は、「休職による緊急避難」しかありません。そのまま会社に出勤したのでは、普通の人間では負けてしまいます。休職し、労働組合の力を借りるか労働委員会の力を借りて、不当な配置転換を撤回させる必要があります。
休職している間は収入が絶たれるため、その期間を支える経済的なバックボーンが必要となります。日々の生活を暮らすのがやっとの人間では不当な配置転換の際に緊急避難たる休職ができないため、会社との交渉においても弱気な姿勢を見せてしまいます。
他人からの批判や拒絶に動じない労働者
他人からの批判や拒絶に弱い人間は、過半数代表者を務めることは難しいでしょう。過半数代表者は、上記した通り会社側の人間から確実に邪魔な存在に扱われます。そのような他人からのマイナスの感情に耐えられる人間でなければなりません。
勉強し続けることができる労働者
過半数代表者は、年々改正されていく労働関連法や裁判例について、日々勉強をしていく必要があります。日々の勉強を怠ると、最新の知識を仕入れることができないため、会社側の交渉担当者に足元を見られるマイナスの可能性が生じます。
代表候補者の合同労組(外部労働組合)への加入
過半数代表者の候補者は、単独で、もしくは事前に立候補に賛同する労働者(立候補者に投票する労働者)と共に、合同労組へ加入します。これは、立候補や立候補者に投票したことに対する報復への備えです。
これは大げさな話ではありません。一族経営の会社では、賃金減額などの不当な行為に対する苦情を言った2時間後に、遠隔地に転勤になったり、解雇通知が来るのです。合同労組に加入をしていれば、立候補と同時に加入の事実を告げるなどして、使用者の報復をけん制することができます。
会社に、弁護士や社会保険労務士などの専門家が顧問としてアドバイスしているようならば、なおこの備えは効果的です。
合同労組については、ここでなくてはならない、というこだわりは持たなくてもよいでしょう。複数の組合を調べてみて、自分に合ったところを選択すればよいと思います。
過半数代表者選挙
社内に掲示されている労使協定を見て、誰が現在の過半数代表者か知っておく
社内に掲示されている労使協定を見て、現在誰が過半数代表者になっているか調べます。労使協定には、過半数代表者の氏名・選出時期・選出方法が記載されているのが普通です。
記載されている労働者に、どのような経緯で代表者に立候補したのか尋ねてみましょう。高い確率で「勝手に労働者代表にされ、勝手に協定を結ばされた」という答えが返ってくることでしょう。その実態を確認した後、今度の労使協定の際に、立候補する旨をその代表者に伝えておきます(一族経営の親族である場合や積極的な経営者側人間の場合は内緒にしておく)。
過半数代表者選挙に備えた根回し
過半数代表代表選挙があるのが分かっている場合(一定の時期に過半数代表者が決められる場合)は、今度の選挙では自分が立候補する旨を伝えます。分からない場合(勝手に決められている場合)は、会社に立候補する旨を通告します。
会社が反発をしてきたら、合同労組へ加入の際、代表者選挙に立候補する際の方法を教わったことを伝えます(合同労組へすでに加入していることを知らしめて不当な行為のけん制をするため)。
他の同僚らにも、過半数代表者選への関心を高めてもらうため積極的に発言をしてください。
過半代表者選挙立候補
過半数代表への立候補を会社側に通告します。そのうえで民主的な選挙を行ってもらいます。目指す選出方法は、「無記名投票」です。
会社内で実際に行われている労務管理方法について、労働者個人がモノ申すのは現実的ではありません。よって合同労組を後ろ盾にした団体交渉が効果的でしょう。
あなたの会社の代表者選出方法は?
前にも触れましたが、中小・零細企業において、使用者が自ら選任する「労働者の過半数を代表する者」には、使用者の意向に「イエス」しか言わないイエスマンしか選ばれません。これでは代表者とは言えません。よって、過半数代表者選出に、労働者が積極的に関与することが必要となります。
後述しますが、2019年4月からの有給休暇義務化に伴い、計画的付与制度が使用者の義務の回避の手段として悪用される可能性が高まりました。よって、イエスマン的労働者代表を選出させない態勢づくりが急がれます。
現在の代表者選出方法を観察してみましょう。あなたの会社の選出方法はどのようなものでしょうか?
- (1)使用者が勝手に決める(労働者の多くは、誰が代表者かも知らない)
- (2)朝礼などの会合で、代表者として使用者が紹介した者に対して「信任か否か」の挙手
- (3)書面に代表者の名前が書いてあり、各労働者欄に信任か否かを記入する方法
- (4)立候補者が示され、そのうえで日にちを決めて無記名で投票する
これらの選出方法は、私が見てきた会社における選出方法でした。この中で、真に労働者の自由意思が反映される方法は、(4)のみでしょう。
理想は、労働者の自由意思が唯一反映される「無記名投票」
(1)の選び方は論外です。労基法違反のなにものでもありません。労基法にはしっかりと「労働者の過半数を代表する者」と書かれ、労基法施行規則においても代表者の選出方法が「投票、挙手等」と規定されています。
(2)・(3)についても、外形は施行規則の方法にのっとってはいますが、労働者の意思は反映されない方法でしょう。そもそも、代表候補者の目に見える形で、誰が己に不信任をしたかが分かる方法であると、各労働者は候補者に対して遠慮し、不信任に意思など表明できないものです。使用者がそのことを当然理解しています。それゆえ、このような方法を採るのです。
会社の顧問をしている弁護士・社会保険労務士らは、労働組合対策の一環として、このような代表者選出においても、法に抵触しない巧妙で姑息なアドバイスをするのです。
よって、計画的付与において使用者の独断を避ける方法の第一歩は、(4)の代表者選出方法を確立することになります。
選出された場合は労働者の声をくみ上げた労使協定の締結を目指し、されなかった場合は労働組合結成に向けての準備をする
選出された場合
労働者の声を反映した労使協定を結ぶためには、なるべく多くの労働者の声を聴くことです。労使協定を結ぶ上で特定の労働者が多大な不利益を受けるようでは、その労使協定は労働者のための協定ではありません。
計画的付与の労使協定締結の場合は、会社側が有給休暇を管理するために使っている有給休暇付与管理表(個人の有給休暇保有日数・取得状況などのデータのこと。名称は会社によって違う)を参考にして協議します。
過半数代表者に選出された者は、計画的付与の労使協定を結ぶ際は、各労働者ごとに希望日・保有日数・取得状況を聴き取り、一覧表にまとめておきます。そのうえで会社側と協議に入ります。つまり労使協議の場において、会社側が保有している有給休暇付与管理表と、過半数代表者が各労働者から聴き取りした一覧表を示し合わせて、両者の妥当点で合意するのです。
もちろん、会社側の希望と労働者側の希望とがかけ離れているような場合は、代表者として締結はしないことです(労働者の意見を労使協議の場に反映させる担い手として、当然の対応です)。
後述しますが、有給休暇の義務化に伴う付与義務を免れるために会社側が従来休みであった期間を出勤日とし、その期間を計画的付与で有給休暇一斉付与しようとするならば、過半数代表者として合意することは、労働条件の不利益変更に加担したことになります。
2019年4月以降に配布される会社カレンダーについては、過去の年間稼働日数に比して多くなっていないか注意する必要があります。
選出されなかった場合
過半代表者選挙において、会社側の立てた立候補者に敗れた場合は、その会社における労働者全体の利益を考えることは止めます(不当な状況に立ち向かおうという意思のない人間を巻き込むと、効率が悪くなるからです)。
会社内で志を同じくする者だけを集め、社内労働組合を結成する準備をします。ある程度の人数が集まったら、合同労組の支部として結成通告をします。そのうえで計画的付与にかかわる協議を行っていきます。
会社側と計画的付与をはじめとする労使協定を締結できるのは、過半数労働者が参加する労働組合であるため、過半数を集めるための施策を採っていきます。
免責事項
当サイトは、利用者が当サイトに掲載された情報を用いて行う行為について、一切責任を負うものではありません。
法律等は頻繁に改正等が行われますので、あくまでも参考としてください。また、本サイトは予告なしに内容を変更することがあります。