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誰でも可能!有給休暇を全部消化し退職するための7ステップ

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有給休暇消化を説明する図の縮小サイズ

 このページでは今までの私や同僚・組合員の実戦経験をもとに、誰もが有給休暇を消化し尽くすことができるようになるためのノウハウと余すところ無く説明しています。会社との「戦い」であるいじょう、「戦い」の大原則である「勝敗は兵家の常」を無視はできません。しかしこのステップを踏まずに戦う場合と比べれば、その手ごたえの差はハッキリするでしょう。ぜひともあなたの戦いの参考にしていただきたいと思います。

はじめに・・・

 有給休暇を消化するために大きな威力を発揮する「7つのステップ」とは、どんなものだろうか?私にもできるだろうか?そんな疑問がわくと思います。まずは以下のフローチャートをみてください。「7つのステップ」の順序と内容をまとめてみました。

有給休暇消化の7ステップ全体図

 見ていただくと分かると思いますが、各ステップすべてが、難易度の高い行為を要求するものではありません。そこが「誰でもできる」という見出しにつながるのです。

 各ステップを分解して見てみると、それぞれは日ごろ皆さんが有給休暇を取得する時に行っている行動ばかりです。ではなぜこの「7つのステップ」が有効なのでしょうか?それは「各行動が合理的な順序で並べられている」からなのです。

 例えば、退職を伝えると同時に休暇の消化を申請したとします。そのような手順を採ると、休暇を消化されたくない会社側に時季変更権を濫用され、まとまった消化が実現できなくなるかもしれません。退職の意思表示を先にして退職日をしっかりと決めてからしかるべき日に申請をすれば、会社は時季変更権を行使できません(理由は後述)。

 このように、「7つのステップ」は、私や先輩労働者の皆様が、実際の消化の現場で失敗等を重ねて考えられた最善の方法です。相手(会社)がいる事ゆえ、苦戦を強いられる可能性もありますが、何も考えずに申請をするよりは高い確率で消化ができるようになるでしょう。

 では、各ステップごとに説明していきます。LET’S TRY!

1.【STEP1】有給休暇の残日数を把握した後「退職日」を決め、会社と合意する

 まず最初に、あなたが現在持っている有給休暇の日数を把握します。そして有給休暇の消化をすることは伏せた上で、退職日を会社と合意のうえ決定してしまいます。この作業は最初に必ずここでしておきましょう。

 残日数の把握方法・退職日の設定方法とそれぞれの注意点を以下で詳しく説明します。用意はいいですか?

1-1.有給休暇が何日残っているか確認する

 まず、現在あなたが持っている有給休暇の残日数を確認します。確認するためには、以下の方法が考えられます。

  • 給料明細表で確認する
  • 上司・人事総務担当者に尋ねる
  • 入社日から判断する

 これらの確認方法をするうえで、常に一点を注意しておきましょう。 有給休暇の繰越し の問題です。会社によっては、有給休暇の繰越しを認めない会社があります。しかし労働基準局では、ある年に発生した有給休暇は、その年に使わなくても、次の年にも使うことができる(繰り越せる)と言っています。会社が繰越し禁止!と言っていても、繰り越せることを前提に休暇の残日数を計算しましょう。

 では各確認方法を説明していきます。あなたの状況にあった確認方法で残日数を把握してください。

給料明細表で確認する

 この確認方法が最も簡単でトラブルも少ない確認方法です。最近の明細表には、気を利かせて「有給休暇残日数」として現在の有給休暇数が記載してあります。

 給料明細表に有給休暇残日数が記載してあるような会社であれば、当ページで説明するステップを踏めば、高い確率で休暇の消化をさせてくれるでしょう。

上司・人事総務担当者に尋ねる

 給料明細表に有給休暇残日数が記載してない場合は、直属の上司・人事総務担当者に尋ねるのが手っ取り早いでしょう。

 しかし注意が必要です。日ごろより休暇の申請に対して冷たい態度を取る上司や人事総務担当者であるならば、残日数を聞くことは後々のステップで警戒されてしまう可能性があります。

 残日数を聞いた後に退職の意思表示をした場合、カンのいい人事総務担当者であれば、「以前有給休暇の残日数を聞いてきたのは、退職時の消化をするための準備だったのかもしれない」と気づいてしまうでしょう。会社側に気付かれると、退職の合意を得る場合でも、その場で「有給休暇の消化は控えてくれ」などとクギをさされ妨害を受ける可能性が生じます。

 ですから、日頃より有給休暇をすんなりと取得できる会社でない限り、上司等の会社側の人間に残日数を尋ねることはさけましょう。その場合は、あなたの入社日から判断していきます。

入社日から判断する

 入社日から残日数を判断する方法は、上司等に警戒もされないうえに、正当な休暇数を把握できる最もベストな方法です。給料明細表に記載してある残日数は、時折会社の意図により労働基準法で定められている日数より少ない場合があるからです(特にパート・アルバイト・準社員等の方々は要注意!)。

 あなたが現在持っている有給休暇を知るためには、「年次有給休暇の発生要件・日数について知る」を読みましょう。このページを読んで把握した有給休暇数から、あなたが使った有給休暇数を差し引きます。

1-2.退職日を決め、その日に退職することについて会社の合意を得る

退職日を決める

 残日数を確認したら、次は退職日を決めます。一概には言えませんが、多くの場合で、会社側は区切りのいい日(給料計算締日や月末)を希望してくるものです。そのことを念頭に、こちらも区切りのいい日を退職日として予定しておきます。

 そして、会社からの休暇消化に対する妨害をできるだけ避けるためにも、退職日は、退職を告げる日の1か月以上後くらいがいいと思います。できることならば、就業規則で定められている退職申請期限を守った方がベストです(下図参照)。

有給休暇消化のための流れ

 就業規則で「退職する場合は、退職希望日の一か月前までに職場の責任者に報告すること」と記載してあるならば、できるかぎりその通りにしておきます。退職に関する社内での決まりごとを守ることに必要以上に神経質になることはありません。しかし、消化に当たって会社から「退職に関する規程」を守らなかったことを理由に言いがかりをつけられるのはわずらわしいものです( 3-3 参照)。

 事前の準備をしっかりと行うことができる、計画的な「退職」のケースであれば、会社の退職規程に配慮することで、会社による妨害の根拠を一つ奪うことができるのです。

退職する意思を責任者に伝える

 退職の意思申請をするときには、あなたの決めた退職日について会社側に了承させておきましょう。これはそれほど難しいことではありません。「課長、私は○月○日をもって会社を辞めます。」とはっきりと口頭で伝え、責任者(上司・人事担当者)の了解を得ればよいのです。

 この「退職の意思表示の伝達」という行動から、記録を採ることを始めます。労働紛争っぽくなってきましたね。記録を採る手段としては、「詳細なノートをとること」と「ボイスレコーダーによる録音」の二つが有効です。

 ボイスレコーダーは、あなたの持っている携帯電話やスマートフォンで十分でしょう。ただし事前に録音のシミュレーションはしておきましょう。どの場所にボイスレコーダーを忍ばせて録音するとうまく録音できるか確認します。私の経験では、上着の胸ポケットが一番うまく録音できました。

2.【STEP2】「退職日」を決めたら、「消化開始日」と「消化意思伝達日」を決定する

 「消化意思伝達日」とは、「残っているすべての有給休暇の取得を会社に申請する日」です。「消化開始日」とは、「実際に有給休暇に入り始める日」です。

 これら二つの日は、退職日を会社に伝え双方の合意を得たうえで初めて決定できます。退職の意思の伝達と退職日の設定は、STEP1で済みましたので、ここでは「消化開始日」と「消化意思伝達日」を決めます。

2-1.残っている有給休暇の「消化開始日」を把握・特定する

 消化開始日は、今あなたが持っている有給休暇の残日数をもとに割り出します。

 退職日として設定した日を入れてカウントしつつさかのぼってください。その時、会社カレンダー上の「休日」は飛ばしてください。有給休暇は会社カレンダー上の「出勤日」にしか使えないからです。

 下図を例にして実際に割り出してみましょう。図の状況では残日数が「8日」なので、退職日である31日をスタート点として8カウントします。途中「休日」は飛ばします。そうすると22日(月)が「消化開始日」であると分かります。

2-2.「消化意思伝達日」を把握・特定する

 「消化開始日」が決まったら、「有給休暇を全部使います」という日を決めます。有給休暇の申請期限をもとに割り出します。

 再び下図を見ます。図の会社では「3日前までに」という決まり事があるので、3日前までにしましょう。消化開始日が22日(月)なので、その3日前である19日(金)が申請期限日となります。この会社では、申請期限の定めに「3労働日前までに」とは書いてありません。よって「3日前」は暦日で数えます。よって19日(金)となります。

 ※「3労働日前までに」という定めであるならば、申請期限日は17日(水)となります。

 この「申請期限日」が「消化意思伝達日」となります。しかし、休暇の消化について過酷な態度を取る可能性の低い会社であったり、必要以上の迷惑をかけたくない、と考えているのであれば、申請期限日より出来る限り前の日に伝達してもいいでしょう。

 逆に、消化の意思を伝えると不当な扱いをする可能性の高い会社であれば、申請期限ギリギリに伝え、畳みかけるように辞めます。意思伝達日から消化開始日前日までの間の嫌がらせ等を避けるためです。

消化意思伝達日の流れ

3.【STEP3】妨害に対する反論の根拠を学ぶなどの、消化申請前の「準備」に取り掛かろう

 退職日・退職意思伝達日・有給休暇消化開始日・有給休暇消化意思伝達日の4つを決めることは、いわば休暇を消化するための時間的計画の立案作業です。ここからいよいよ具体的な準備にとりかかります。

 「有給休暇の消化の意思を伝達」する行為(STEP4)は、休暇消化闘争のプロセスの中で最も重要な行為です。この日を境に、会社から嫌がらせを受ける可能性が生じます。そのような事態におちいった時に被害やストレスを最小限に抑えるため、ここでしっかりと準備をしておきます。

 準備すべき内容は、以下の項目です。

3-1.会社による「有給休暇消化」に対する妨害に対抗するための根拠を学ぶ

 有給休暇消化に当たって考えられる妨害のパターンは、以下の4つです。各事例ごとに細かい点で違いはあれど、おおよそ以下の4つのうちのどれかに該当するでしょう。

  • 『時季変更権を強引に行使して消化させない』

  • 『「引き継ぎもしてないのに休暇をとるなんて身勝手だ」と自責の念を植え付け消化を妨害する』

  • 『労働者が社内での退職時の手続きを怠ったことを理由に懲罰を与えることをちらつかせて妨害する』

  • 『消化を申し出た日以後に業務上で発生させたミスに対して損害賠償請求をすることで妨害する』

 会社がどのパターンを用いて妨害してくるのか?はたまた妨害などせずに素直に消化させてくれるのか?こればかりは休暇消化の申請をしてみないと分かりません。

 よって私たちは、どのパターンで妨害されてもいいように、4パターン全部の反論の根拠に目を通しておく必要があります。そして、各パターンごとの反論の根拠を持ち運び便利な紙に印刷してまとめ、休暇消化申請の日に持っていきます。

 各パターンごとの反論の根拠は、 退職時の有給休暇消化に対する妨害を撃退する根拠を学ぼう! で詳しく触れます。ここでしっかりと知識を入れておいてください。

3-2.有給休暇消化分の賃金が支払われなかった場合の経済的なメドを立てる

有給休暇分の賃金を完全にアテにしないことが最善

 残念なことに、このページで紹介する7つのステップを踏んでも、有給休暇分の賃金を払おうとしない会社が存在します。

 退職時は何かとお金に関する不安が付きまとうものです。そのような時に、不意に入ってくるべきお金が入ってこなければ、普通の人であればパニックになってしまいます。そのパニックが、有給休暇消化の戦いを支えていた気持ちを打ち崩してしまいます。それは絶対に避けたい事態です。

 もっとも最善の対策は、「有給休暇分の賃金はしばらくは入ってこないだろう」と考えて、その賃金分に該当するお金を用意しておくことです。そうすることで大きな不安が解消され、会社との戦いにも余裕が生まれます。

経済的な視点で、有給休暇消化の戦いの計画を立てる

 有給休暇消化に関する会社との一連のやり取りも、れっきとした「戦い」です。そうとらえると、兵法的な考えが有効です。兵法的な考えの中で、兵站的側面が最も影響を与えるでしょう。つまり、『戦いの期間を現実的な点で支えるのは「必要な時に必要な物資・お金が供給される経済力と補給システム」であるから、それについて具体的な計画を立てる、という考えが有効』ということです。

 実際の戦争でも、国の経済力が戦争の結果・戦い全期間を通じての戦略や戦術の選択に、極めて大きな影響を与えます。ですから、各国は戦争を始める前に、経済的な視点での予測や予行演習を戦術や戦略を交えて検討します。

 有給休暇消化の戦いに、そこまで厳密に推し量りをすることは大げさかもしれません。しかし賃金が支払われない可能性もある以上、事前に推し量りをすることは最悪の結果を避ける可能性を高めるでしょう。

 労働紛争に兵法的な視点・経済戦的な視点を活かすことについては、 戦いの期間を支える経済的な見通しを推し量る を読んでみてください。

3-3.私物を出来る限り持ち帰る

 この準備は自分一人でできる準備であるため、それほど難しい準備ではありません。しかし大量に私物を会社に置いている人は、事前に少しづつ持ち帰る必要があるでしょう。

 消化申請をして会社とトラブルになって、そのまま出社できなくなるケースはまれですが、ゼロではありません。消化の申請をしたその直後から陰湿な嫌がらせを受け、そのまま逃げるように会社を後にしたというケースも何度も相談を受けました。

 そうなった場合、出来る限り会社に出向くことは避けたいですね。自宅にある会社への返却物(貸与された作業着・健康保険証など)は郵送でも送り返すことはできますが、会社に私物がある以上、取りに行かざるを得ません。会社に行けば、経営者らや冷たい同僚から不快な扱いを受ける可能性もあります。

 方法としては、一日で手短に持って帰ることが出来るだけの私物は残しておき、それ以外は徹底的に持ち帰ることです。そうしておけば、突然会社を去ることになっても、去り際に全部を撤去してもう二度と会社に来る必要がなくなります。

3-4.有給休暇消化申請の場に持っていく「戦うための道具」を用意する

 「戦うための道具」と聞くと、なんだかとてつもない道具を想像するかもしれません。しかしあなたが持っている物で十分対応できます。

 その道具とは、以下の物です。

  • 記録用のノート
  • ボイスレコーダー
  • デジタルカメラ

記録用のノート

 記録用のノートは、どのようなノートでも構いません。消化申請という名の会社との交渉に出向くときは、持ち運びの便利なノートとボールペンを持っていきましょう。

ボイスレコーダー

 皆さんが最も持っていない道具とは、ボイスレコーダーだと思います。しかし今はあなたの持っている携帯電話・スマートフォンに、立派なボイスレコーダ―機能が備わっています。今一度説明書をよく読み、どのように操作するのか?どの場所で録音したらもっともよく録音できるのか?どのくらいの時間録音できるのか?を確認しておきましょう。人ごみの中で人に協力してもらい、相手の声がどのくらい録音できるか知っておきましょう。

デジタルカメラ

 デジタルカメラは、有給休暇の申請用紙のコピーがとれない場合に、その用紙ごと撮影するために使います。デジタルカメラ機能も、あなたの携帯電話についていることでしょう。この機能についても、事前に予行演習をしておいてください。

4.【STEP4】会社の有給休暇の最終届出期日に、有給休暇の残り分全部を消化する意志を伝えよう

 有給休暇を消化するための7つのステップで、この【STEP4】が最も重要だといえます。このステップこそが、後の戦いの帰趨を決する「決戦の時」だと言えるでしょう。

 しかし、必要以上に気負うことはありません。あなたは今までしっかりと準備をしてきました。会社とのやり取りはドキドキするでしょうが、それは正常な反応です。私だって会社と話し合いをする時はドキドキしますし、怖いと思う時もあります。大事なことは、主張すべきことを主張すること。そして会社側の人間らによる批判や人格否定発言は「そうですか。」と言ってただ聞くだけにとどめることです。会社側があなたをどう思おうが、あなたの価値には何ら関係はありません。こちらは正当な権利を行使しようとしてるだけですから。

 さて、戦いのための道具を持って、有給休暇消化の申請に出向きましょう。あなたが行動しやすいように、申請にあたっての一般的な交渉の方法・手順・注意点を以下に挙げます。

4-1.有給休暇の申請用紙に記入し、それをコピーする

申請用紙のコピーができる環境かどうか、事前に内密に調査する

 大方の会社では、有給休暇の申請に当たっては、申請専用の用紙が用意されています。退職にあたって消化申請する場合も、各会社の取得手続きに従い専用の申請用紙で取得申請をしてください。その方が素直に事が進みます。

 申請用紙に記入したら、それはしっかりとコピーをしておきます。コピーをするのですから、その用紙に正確に、休暇を取得する日を書きましょう。理由欄があるならば、「退職にあたって、残りの有給休暇を全部使い切るため」とはっきりと書くのもいいです。しかし理由欄への理由の記載は法律上は必須ではありません。会社から求められた場合に限り書く、というスタンスでもいいと思います。

 コピーをすることの意義は、後で「有給休暇の申請など受けていない」という会社側の見苦しい「しらばっくれ」を粉砕するためです。

 コピーが無い場合は、事前に申請用紙をもらっておき、家で申請用紙に必要事項を記入してコンビニ等でコピーし、原紙だけ提出しコピーは保管しておきます。ですから、有給休暇申請用紙をコピーできる環境かどうか事前に調査しておきます。

コピーできないなら、デジタルカメラ(スマートフォン・携帯電話)で申請用紙自体を撮影する

 もしコピーできる環境が無いならば、デジタルカメラで申請用紙全体を撮影します。デジタルカメラはスマートフォンで代用してもいいでしょう。

 注意点は、撮影した画像であっても、申請用紙に記載した内容がハッキリわかるように記入することです。大きな字ではっきりと書きましょう。それだけでも格段に見やすくなります。

 撮影した画像が、争いになった場合に証拠として決定的となるかは状況にもよりますが、会社と交渉する時にはそれなりの役割を果たしてくれます。以前休暇申請など受けてない、とシラを切った会社に対し、画像を提示することで態度を変えさせた経験があります。

4-2.必ず「戦うための道具」を持って、上司・担当者に申請する

 1-3-4.有給休暇消化申請の場に持っていく「戦うための道具」を用意する で挙げた道具と申請用紙を持って、いつもあなたが有給休暇を申請するときに届け出る人(上司・人事総務担当者)に届け出ます。

 届け出る時には、必ずボイスレコーダー(スマートフォン・携帯電話のレコーダー機能)を作動しておきましょう。事前に試したベストな録音場所にレコーダーを忍ばせ、なるべく静かな場所で申請します。

 「7つのステップ」を実行していれば、会社の定めた申請期限も守っているし、退職日を起点とした消化申請をしているがゆえに時季変更権も行使できないため、会社から消化申請を妨害をされることはありません。嫌味を言われることくらいはあるでしょうが。

 しかしそれはあくまで通常の会社であれば、という話です。有給休暇を与えることが大嫌いな経営者(たくさんいます)の場合、必ずここで「待った!」がかかります。会議室や社長室・誰もいない食堂等に呼び出されることもあるでしょう。

 そうなってもするべきことは同じです。ボイスレコーダーを作動させつつ、有給休暇の消化の申請をすることです。しかしこの場では必ず会社が何かしらの言いがかりをつけて労働者に対し休暇の消化を断念させるような圧力をかけてきます。そこで「反論の根拠」を事前に勉強したことが役に立つのです。

4-3.会社の妨害のパターンに応じた反論をし、有給休暇消化の意志を固く貫く

 退職時の有給休暇消化に対する妨害を撃退する根拠を学ぼう! で示した反論のための知識を、ここでフル稼働させましょう。

 会社が妨害するパターンは4つでしたね。あなたの休暇消化闘争の場合でも、この4パターンのうちのどれかに当てはまります。会社の言い分を注意深く聞き、どのパターンに該当するか判断します。

 そして判断がついたら、勇気を出して反論します。ボイスレコーダーでも録音されていますし、申請用紙も出してあります。あとはあなたの「会社の妨害に対する『NO!』」が必要なのです。妨害にしっかりと反論をして、会社の屁理屈の鼻っ柱を折り、「有給休暇を消化しきって退職すること」の意志が固いことを示してやりましょう。

 勇気を出して反論をしても、会社側は多くの場合で「再妨害」をしてきます。しかし大方の場合、再妨害に何の根拠もありません。極論を言えば、会社の妨害に労働者が反論することすら不要なのです。なぜなら、有給休暇の消化申請をし、時季変更権も行使できない時点で、会社は何も妨害などできないのです。黙って労働者に有給休暇を付与するしか道が無いのです。

 ですから、こちらの反論に対する会社の「再妨害」に、必要以上におびえる必要はありません。私の関与した有給休暇消化闘争でも、相談を受けた労働者の方は「再妨害」されました。しかし「会社の考えは聞きましたが、有給休暇はしっかりと消化して退職します」と妨害と再妨害を全く無視して消化の意志を貫きました。

5.【STEP5】会社が消化開始日までに嫌がらせ等をしてくるならば、反論と警告をしよう

 【STEP5】は、会社が妨害や嫌がらせをしてこなければ、しなくていいステップとなります。

 しかし、経営者の考えが「有給休暇を与えることが大嫌い」であるならば、消化申請日から消化開始日までの間に、何らかの形で嫌がらせをしてくる可能性があります。考えすぎでしょうか?とんでもありません。可能性の低いことだと考えず、常に警戒をしておきましょう。

5-1.消化開始日までの間の嫌がらせ行為に対しキゼンと抗議をする

 このステップを確実に実行するためには、申請日から消化開始日の前日まで、常に「戦うための道具」を持参しておくことが重要です。また、消化申請の時に反論の根拠をメモして交渉したならば、そのメモ用紙も常に持っておきましょう。いつ会社から呼び出しを受けたり、現場で上司らに嫌がらせ行為をされるか分からないからです。

 そして嫌がらせ行為だと思わるような扱いを受けたら、「残りの有給休暇の消化は、申請した通り必ず実行します。ですから、消化をすることに伴う嫌がらせだと想像できるような行為は一切止めてください。」とはっきり言います。会社側は、「嫌がらせなどしてない」「過剰反応するな」たぐいの反論をしてくるでしょうが、それは無視します。会社の言い分が嘘であったとしてもそうでなかったとしても、抗議をして卑劣な嫌がらせ行為にクギを差すことが重要なのですから。

5-2.抗議後も嫌がらせ行為をやめない場合は、労働基準法第136条を根拠に警告をする

 労働基準法第136条は、『有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない』と定めています。妨害の程度が過酷な場合は、この条文を根拠に警告をします。

 「労働基準法やその他の労働関係法令の条文を示して会社に警告する行為」は、会社側に「徹底抗戦を示す行為」そのものであり、両者の関係は修復が不可能なくらい悪化してしまうでしょう。ですが、今回の事例は退職をするにあたっての事例であるため、このような強気な警告も選択肢として選べるのです。

 この136条に関しては、「努力義務をさだめたものであって・・・・私法上の効果を否定するまでの効力を有するものとは解されない」という実に労働基準法の趣旨を無視したかのような最高裁判決が出ています。しかしこの判決でさえも、会社の不利益な扱いが、「年次有給休暇を取得する権利の行使を抑制」し、「労基法が労働者に有給休暇の権利を保障した趣旨を失わせる場合」は「公序に反して無効となる」と論じています。

 よって136条を使って警告をする場合は、この一連の流れを押さえておきます。抗議をしても収まらない嫌がらせ行為に対しては、最初に労基法136条を示して警告します。会社が「136条は努力義務規程だから法的な拘束力はない」と言ったら、「それでもなお、有給休暇の権利行使を抑圧するような行為については、公序に反し無効となる」と指摘します。嫌がらせ行為が法律上の行為(賃金の減額・賞与の査定マイナス等)であろうとそれ以外の嫌がらせ行為(職場内での無視・誹謗中傷等)であろうと、とりあえず136条を示して警告します。

6.【STEP6】嫌がらせがひどく「休職」した場合は、電話で要求すべきことを伝える

 嫌がらせ行為がひどい場合、そのまま会社に出勤することは想像以上の辛さがあります。それは私も経験済みです。

 自分に正当な権利があって、会社側の行為が明らかに不当であったとしても、そんな事は辛さの軽減には何の役にも立ちません。そのような苦しい立場に置かれた以上、労働者が採るべき最終手段は一つしかありません。「休職」です。

6-1.休職の準備をする

 会社からの嫌がらせ行為は、労働者に深刻な苦しみを与えます。それはたとえ短い期間であったとしても同じです。他人の言動に繊細な方であれば、職場内での嫌がらせ行為は、あっと言う間にその人の精神状態を破壊するでしょう。

 ですからそうなると感じたら、若しくは、すでに不安や苦しさを感じているならば、今すぐに迷わず行動しなければなりません。そう感じたその日・その瞬間から、嫌がらせをする会社から逃げる準備をするのです。モタモタしていたら、被害はどんどん広がります。今このサイトを会社で見ているなら、今すぐ行動しましょう。

全ての私物を徹底的に撤去する

 まず自分の持ち場に行って、私物を撤去します。私物の撤去は 【STEP3】 である程度行われていると思うので、人目を避けつつ実行してください。

 私物の撤去作業が全く行われていない方もいると思います。その場合は、あなたにとって本当に必要なものだけを選別して持ち帰ります。

 もう二度と、その場所に行かないことを想定してください。休職後再び職場に出向くことは、多大なストレスとなります。

勤務終了後、近所の大手家電屋に行って、通話録音アダプターを購入。できることなら早退して家電屋へ。

 勤務終了後、できれば体調不良を理由に会社を早退して、その足ですぐに大手家電店に足を運びます。買う物は、ボイスレコーダーと電話録音用アダプターです。

 スマートフォンには通話録音のアプリがあるので、それを利用するのもいいでしょう。アプリが無い場合や、家の固定電話から会社に連絡する予定の方は、やはり電話録音用のアダプターは必要となります。

 店に行き、アダプターを出してもらいましょう。そしてそのアダプターを接続できるボイスレコーダー(ICレコーダー)を教えてもらいましょう。すでにボイスレコーダーを持っている方は、それに接続できるアダプターを出してもらいます。

その日のうちに心療内科に行き、診断書を書いてもらう

 家電店に行った後時間があるならば、間髪をいれず心療内科に向かいます。

 会社の嫌がらせを受け、苦しさを感じ、それゆえに休職に向けた行動をしているあなたは、立派な精神疾患状態です。「うつ」の手前です。

 苦しい胸の内と、会社に怖くて行けない状態を余すところなく伝え、「休職したいので診断書を書いてほしい」とハッキリ伝えます。

6-2.休職に入る

 準備は整いました。後は会社に休職する意思を伝えます。

 ボイスレコーダーに電話録音用のアダプターを接続して、会社に電話をします。電話をかける部署は、あなたの所属部署でもかまいませんし、人事総務課でも構いません。

 電話で、「嫌がらせ行為により体調不良になり会社に行けないので、休みます」と告げます。そのように切り出すと会社側は「甘えるな」「困る」「いいがかりをつけるな」等の言動を浴びせてくるでしょうが、そんなものは聞き流します。そして診断書もらっていることを告げ、郵送する旨も伝えます。

 最後に、「有給休暇は申請通り消化するので、有給休暇分の賃金はしっかりと払って下さい」と告げます。ボイスレコーダーで録音してあることは、あえて告げなくてもいいでしょう。

 ※休職期間の者が有給休暇を使えるか?という質問がありますが、大丈夫です。有給休暇は自社でのストライキ等の「争議行為」に使用する以外は、どのような目的であっても使用できるからです。

7.【STEP7】消化終了後、返却物を郵送または会社に持参して返却する

 7ステップといえ、長かったと思います。いよいよ仕上げに入ります。やるべきことはやりました。後は賃金が支払われることを確認しましょう。最後の手順において、方法と注意点を説明します。

7-1.会社に返却すべきものを速やかに返却する

 これまでの7ステップを実行したならば、有給休暇の消化完了日と退職日は同一の日になっていると思います。しかしそうでない場合もあるでしょう。よって、会社に返却しなければならないもの(貸与された制服・健康保険証等)は退職日が過ぎてから送り届けましょう。

 有給休暇の消化をしても会社と関係が悪化してなければ、直接持参しても問題ありません。しかし修復不能なくらい信頼関係が悪化した方もおられるでしょう。そのような方は、郵送にて送り返すといいでしょう。

7-2.有給休暇分の賃金が支払われているか確認する

 7つのステップの最後の作業は、有給休暇分の賃金が支払われたかどうかを確認する作業です。もし休暇分の賃金が支払われてなかったら、即座に内容証明郵便にて賃金の支払いを請求します。その時、内容証明郵便には支払期日を定めておきます。こちらが定めた支払期日までの支払わない場合、いよいよ未払い賃金の問題として新たなステージに移ることになります。

 会社がどのような意図で休暇分の賃金を支払わないかは、今後どの司法手続きを採るか決めるうえで重要な要素となります。そこを確認するためも、こちらが定めた期日までに支払わない場合は、会社に電話にて確認します。

 おおまかに言いますと、ただ単にお金がなくて支払えない場合は「支払督促」、有給休暇自体を認めたくないから支払わない場合で請求金額が60万円以下の場合は、少額訴訟、60万円を超えて140万円以下の場合は、簡易裁判所の民事訴訟となります。

 これらの司法手続きは、裁判所の窓口に定型訴状用紙が備えられているので、一人でも行うことが出来ます。弁護士を頼むのは非常にお金がかかります。まして彼らに相談すればそれらの手続きですら自分で行うことは難しいといわれ、気持ちを折られてしまします。ですから、それらの手続きを行う決意をしたら、簡易裁判所に行ってまず相談をしましょう。

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