トップページ年次有給休暇の労働基準法違反に対抗する!>有給休暇を拒否する会社と戦うための勇気が湧く4つの考え方

有給休暇を拒否する会社と戦うための勇気が湧く4つの考え方

退職する時に残っている有給休暇を全部消化することは、裁判でも認められた労働者の当然の権利です。しかし残念なことに、妨害のみならず、完全に休暇申請を完全に拒否して有給休暇を消化させなかったり、申請を受けた有給休暇分の賃金を支払わない違法なケースが後を絶ちません。

このページでは、私たちの闘争の経験をもとに、有給休暇を実際に拒否されてしまった方々に向けて、今までつちかった実用的な「気持ちの維持の仕方・戦意の保ち方」を説明したいと思っています。

メンタル的な話となると、どうしても根性論的で技術的な話となりがちですが、当ページでは、シンプルで明快な考え方であることを心掛けて説明していきたいと思います。

今まさに休暇申請を拒否されて困っている方は、あなたの置かれた状況を考慮しつつ、当ページの内容を参考にして愚かなブラック企業と存分に戦ってください。

ふたつの点(痛みを受け入れること・自発的に動くこと)について、心の準備(覚悟)をしておく

 有給休暇の消化を拒否された場合に戦いを継続するには、いったん心のリセットをする必要があります。消化を貫く戦いは、それなりの波乱を生じるからです。心の態勢を立て直し、気持ちを強く持ち直します。

 ここでは、メンタルについて少し長く語ります。非常に重要なところですので、いきなり実戦的反撃法に行かず、目を通しておいてください。まずは、以下で述べる2つの点を覚悟することからスタートします。

  • 「『痛み』を受けてしまうことは避けられない」と覚悟する
  • 「有給休暇消化を実現させるためには、自発的に行動する以外道はない」と覚悟する

「『痛み』を受けてしまうことは避けられない」と覚悟することで、戦いの過程での猛攻撃に冷静に対処できるようになる

 有給休暇消化を申請してそれを拒否された以上、その状態から消化を断行するには、当然に会社側による激しい抵抗と攻撃を受けます。

 なぜなら会社は、あなたの消化申請を拒否した時点で「その問題は決着済み」だと考えるからです。拒否後にあなたが労働者の権利を盾に再度休暇消化を要求すれば、会社はあなたをわずらわしく思い、激しく怒り、批判・罵倒等の攻撃をしてくるでしょう。

 しかしそれが現実です。法定の権利を拒否するような不当な会社に食い下がる以上、それらの「痛み」を受けることは避けられないのです。安全な場所から高見の見物状態で戦うことなどできません。

 このように書くと、私はあなたに「拒否されてまで消化を貫くことなどやめておけ」と言っていると思われるかもしれません。しかし違います。あなたに有給休暇消化の戦いを貫いて欲しいから、最初に覚悟することを勧めているのです。

 戦いの途中で会社の猛攻撃に遭い、「こんなはずじゃなかった」と思うほど、戦意を喪失することはありません。しかし最初に覚悟をしておけば「これも想定の範囲内だ、問題ない」と落ち着いて対処できます。猛攻撃をものともせず、消化のためのステップを淡々と続行できるようになります。

「有給休暇消化を実現させるためには、自発的に行動する以外道はない」と覚悟することで、効率よく戦いを進めることができる

 これはどの労働トラブルについても言えることですが、特に有給休暇消化の戦いでは当てはまるでしょう。なぜなら、有給休暇消化の戦いで得る利益は、数十万円までが一般的だからです。

 専門家に頼めば、依頼することに伴う出費で実質的な取り分が大きく減ってしまいます。しかし解決までの手続きの多くを己の力で行えば、出費も抑えられ、出た結果にもあきらめがつきます(訴額の低い有給休暇分の賃金未払い事件では、弁護士等の専門家の態度は極めて消極的で、あなたの戦いの意欲に水を差す助言しかしないでしょう)。

 また、休暇闘争の過程で利用する司法手続きは、主に少額訴訟・簡易裁判所での民事訴訟までが一般的で、それらは弁護士に委任しなくて自分で挑戦できる手続きであることも理由の一つです。

 自発的に動く覚悟されできていれば、これらの手続きは十分乗り越えられるものです。

「覚悟」した後、「有給休暇を全部消化して退職する」という決意をし直す

 「痛み」を受け入れ、「自発的に行動する」覚悟を決めたら、次は、再度「有給休暇を全部消化して退職する」という決意をすることです。覚悟と決意さえしてしまえば、有給休暇消化の戦いは、大きく前へと進み始めるでしょう。

 いまだに労働者の権利を犠牲にすることで会社の経営を成り立たせようとする、法令順守意欲の低い経営者が多いのが現状です。特に最近は、非正規雇用と正規雇用の2種類の雇用形態の出現で、会社がその制度をあらゆる面で悪用し強気になり、労働者の雇用・労務管理に傲慢な態度で臨む経営者が増え続けています。

 そのような経営者は「有給休暇消化なんて認めない。引き継ぎはどうするんだ」などと典型的な反論をもとに退職時の有給休暇消化はもちろん、在職時の有給休暇すら取らせません。この手のタイプにヒューマニズムを求めても無駄です。戦うならば徹底的に戦わなければなりません。幸いなこと?に、消化の申請を拒否することで、労働者と会社の間にある信頼関係を会社側がみずから崩してくれました。もはや遠慮する必要などありません。

 そうなった場合でも「今までお世話になった会社に必要以上に迷惑をかけることはできない」と考えるならば、あえて有給休暇を消化しろとは言いません。どのように決断するかは本人次第です。ただ、あなたの周りで退職時の有給休暇消化を貫こうとしている労働者の方を批判するのだけはやめてください。あなたが自由に決断したのと同じように、相手にも己の好きなように決断する自由があるのですから。

 ・・・・さあ、退職時の有給休暇消化を決意した方は、上で示した実戦的反撃法を読みましょう。そして今すぐに行動を開始しましょう!

免責事項

 当サイトは、利用者が当サイトに掲載された情報を用いて行う行為について、一切責任を負うものではありません。

 法律等は頻繁に改正等が行われますので、あくまでも参考としてください。また、本サイトは予告なしに内容を変更することがあります。