団体交渉申入書をかかげ、悪徳会社との団体交渉を始めよう!
労働組合を結成して会社の違法行為と戦う方法は、いくつか存在します。その中で最も使用頻度が高く、かつ効果的な方法が「団体交渉」と言えるでしょう。
多くの苦労を経て労働組合を結成したら、いよいよ懸念であった事項について、使用者(経営者等)と団体交渉を始めることになります。
しかし、組合を結成したからといって、やみくもに使用者に「団体交渉せよ!」と声高に叫んで議論を吹っ掛けることは得策ではありません。効果的な最初の手順を踏みます。
その手順とは、「団体交渉の申し入れを書面で行う」ということです。「団体交渉申入書」を提出して正式に団体交渉を申し入れをしなければ、使用者が不誠実な態度をとったとき、不誠実団交・団体交渉拒否といった不当労働行為を主張できないからです。意外と団体交渉申入書を提出せずに団体交渉を行っている組合は多いのです。
このページでは、団体交渉の始め方と、「団体行動申入書」の作成の仕方を詳しく説明します。団体交渉を考えている組合のみなさんの参考になれば幸いです。
まず、「団体交渉申入書」を作成・提出する
労働組合が会社に団体交渉を申し込むには、一般的に以下の事項を『団体交渉申入書』に記載して、会社に提出します。
- 交渉の日時
- 交渉の場所
- 交渉の当事者
- 今回の交渉を担当する者・出席者
- 今回の交渉事項
- これらの申入れに対する回答期限
ではこれらの事項を、どうやって団体交渉申入書に記載するのでしょうか?
架空の紛争事例をもとに団体交渉申入書を作成してみました。以下に挙げます。
このように記載した『団体交渉申入書』を会社側に提出して相手の回答を待ちます。
以下で、団体交渉を申し込むまでの一連の流れを時系列で見てみましょう。
団体交渉開始までの流れを時系列で見る
各組合員から問題となっている点、苦情などを聞き出す
分野を問わず、労働条件・パワハラ・セクハラなど会社が原因となっているもののあらゆる問題点・不満点を集めます。
まずは現状を知ることからスタートです。現状を把握し、問題を整理し、それを克服するための確かな要求事項を構築するためです。
それらの問題点を分類し、解決するためには会社に何を要求したらいいのか考える
この作業は、あふれんばかりにある社内の諸問題を、「解決の道しるべ」ごとに分類する方法で行います。
例えば「会社が従業員を増やしたら解決する」という問題グループに分類したり、「使用者が組合員を目ざとく冷遇するのをやめたら解決する」という問題グループに分類したりします。考えられる解決方法から出発していくのです。
要求事項を整理し、「団体交渉申入書」を作成する。
労働組合結成後初めての団体交渉であるならば、ここで労働組合活動の基本的な活動事項が取り決められるのが一般的です。
考えられる基本事項は、組合事務所等の使用をどうするのか?就業時間内の組合活動をどうするのか?会社の事務用品や掲示板の使用はどうするのか?などです。
最初の団体交渉の時は、それらの基本事項も申入書に記載しておきます。
団体交渉申入書を会社に提出する
団体交渉前に労使協議制で話し合うという慣例がある会社の場合は、労使協議制を先に行う。
申入書に記載した返答日時までに会社から返答が無かった場合、再度返答を促す。
その時、正当な理由なく団交申入れを無視する行為は不当労働行為であることを通告する。この場に限った事ではありませんが、会社の行為が不当労働行為にあたることを告げるだけでいいでしょう。脅迫じみたことは、相手の態度を硬化させるだけです。
会社が申入れ事項に難色を示したら、前段階の折衝を行い、団体交渉の日時を調整する。
日時の調整の場で、あまりに非現実的な日時に使用者側がこだわるため折り合いがつかないなら、それは不当労働行為の疑いがあります。そういう不誠実な態度には毅然とした態度を取ります。
団体交渉へ臨む
使用者は交渉のテーブルにつけば団体交渉義務を果たした、とは言えません。組合員は使用者に「話し合って合意を努力しようとする意思」があるかどうか観察します。
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