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「第三者の強要」「こじつけ」による不当労働行為との戦い方

不当労働行為をしておきながら、適当な理由をつけて労働組合からの追及を逃れようする会社が後を絶ちません。家族もいるような大の大人が、「この辞令は、君が組合員だから出したのではなく、○○という行為を君が行ったから出したのだよ」類の内容を、辞令を受けてどん底に落とされた労働者の前で平然と言い放ちます。

他にも逃れるために利用される言い分が「第三者の強要」です。「会社としてはこのようなことはしたくなかったが、取引先がそうしろと言うので」と、さも当たり前のように回答してきます。

そのような悪質で打開しがたい状況に、どのように対抗すべきでしょうか?どのような手段が有効となるでしょうか?

それは、上記2つの悪質な事例に対する裁判所の判断を知り、そのうえで、妥協しない姿勢で戦うことが有効だと考えられます。

開き直った会社と戦うことは、平素の戦いに比して困難で不快なものです。当ページで、二つの悪質な例に対抗するための知識と戦い方を説明しましょう。

他の理由に「こじつけ」られて不当労働行為をされた場合の戦うための知識と戦い方

『・・組合活動をしたら、使用者が不利益な取扱いをしてきた。だから使用者に、組合活動等を理由に不利益取扱いをするのは不当労働行為ですよ!と通告した。しかし会社は、もっともらしい別の理由をつけて、今回の扱いは組合活動等が故の不利益取扱いではないから、不当労働行為ではない、私たちに全く非はない、と反論してきた・・』

 このようなケースは、非常によく起こり得ます。このような場合、組合は不当労働行為を主張できないのでしょうか?

 主張できないことはありません。我々は、会社が「こじつけ」で行ったであろう状況を整理して、労働委員会に救済を申し立てることになります。

 不当労働行為であるか否かを判断する主な担い手である労働委員会は、以下のパターンで当該行為が労働組合活動を嫌悪して行われたかどうか判断するのです。

不当労働行為であったかどうかを判断するプロセス

組合活動等が故の不利益取扱いか、使用者の内面の構成要件をチェックする

 まず労働委員会等は、下の3つのポイントを考慮しながら、使用者の不利益取扱いが労働組合活動等が故のモノであったことを調べるのです。

  • 労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくは結成しようとしていたこと、若しくは労働組合の正当な行為をしたことの事実を認識していたかどうか
  • その事実を認識した上で、その事実を理由に当該労働者を不利益に取り扱ってやろう、と意欲したかどうか
  • そして、その意欲によって、不利益取扱いをしたかどうか

労働委員会は、前例・各委員らの経験を基に客観的に判断する

 上の使用者の内面状況は、あくまで”内面”のことなので、なかなか断定もしにくいです。

 よって労働委員会等は、各委員の経験則を使って、不利益取扱いによる不当労働行為があったかどうかを総合的に判断しています。

「こじつけ」によってなされた不当労働行為との戦い方

 使用者が平素から労働組合を嫌悪して活動を妨害・迫害していて、かつ使用者が理由をこじつけ不当労働行為をし、それがために組合活動にマイナスの影響があったならば、労働委員会等は当該行為が組合を嫌悪したがゆえに行われたものであると推測する可能性が高くなります。

 よって、こじつけられて不当労働行為がなされたと感じたら、使用者が平素から組合活動を嫌悪していることを証する記録(録音・日記など)を残しておきます。

 またこじつけた理由の説明を、徹底的に使用者にさせることです。こじつけの理由には必ず無理があります。説明を聞き、説得力の薄い無理のある点を徹底的に掘り下げ詰問し、その返答内容をしっかり記録に採っておくことです。

 その証拠・記録が、労働委員会に救済申し立てをした時にこちらに有利な判断を招き入れる大きな助けとなるのです。

 組合を立ち上げた以上は、平時であっても常に有事の覚悟を決め、記録等を採りやすい環境を作っておきましょう。

第三者(会社の取引先等)の強要によって不当労働行為をされた場合の戦うための知識と戦い方

『・・会社の得意先が、会社の組合活動を嫌悪し、幹部組合員を解雇しなければ取引は打ち切りとする、と迫ってきた。会社としては、得意先に取引を打ち切られては仕事が無くなってしまうので止むを得ず、得意先の要求通り幹部組合員を解雇した・・』

 この場合、使用者には、得意先に言われなければ組合幹部を解雇することは無かったので、当該解雇は不当労働行為にならなさそうであります。

 しかし判例はこの例のようなケースでも、不当労働行為の成立を認めました

 取引上の死命を制する問屋から組合活動分子を排除せよとの圧迫を受けて止むを得ずなした解雇を不当労働行為として認めました(『労働法全書』より抜粋。最高裁昭和46年6月15日判決)。

 このようなケースは、こじつけによる不当労働行為よりも頻繁ではありませんが、頭に入れておくべき事例でしょう。

「第三者の強要」によってなされた不当労働行為との戦い方

 まずその不当労働行為が、第三者の強要によってなされたものであるかどうかを判断することから始めます。判断するためには、いつもと変わらぬように、不当労働行為の実行者(会社)に団体交渉を申し入れします。

 実際、第三者の意思に責任を転嫁して不当労働行為に対する組合からの追及を免れようとする使用者が結構います。団体交渉をすること(兵法でいう、「威力偵察」)で、使用者側の思惑を推測することができるのです。

 では実際に、第三者からの強要によって不当労働行為がなされた場合はどのようにしたらいいでしょうか?実は、遠慮することなく、労働委員会に救済を申し立てることを前提に戦えばいいのです。第三者の強要に屈する姿勢を一切認めなければ、使用者はあきらめて第三者を説得するでしょう。説得は使用者のすべきことです。会社を失くしたくなければ、使用者は必死に第三者を説得するしかありません。我々は、そこまで配慮する必要はありません。

 労働組合が、第三者からの圧迫を理由とする不当労働行為として労働委員会に救済を申し立てることを掲げて対抗している以上、第三者も圧力をかけ続けることに精神的なプレッシャーを受けることになります。そのうえで使用者からの説得が加われば、第三者は譲歩する可能性があります。

 しかし、第三者が譲歩する、しないは、我々の考えることではありません。労働組合として戦う場合は「法違反には一切妥協しない」、その姿勢を貫くことが大事なのです。法違反と戦う場合は、賃上げ要求で戦う場合とは全く違った姿勢(法違反を一部認めることで事態を打開することは一切しないという姿勢)が必要となります。

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