交渉の場で行われる『脅迫』の撃退法(4)~合意をするために、とにかく相手を話し合いの場に出させる

労働紛争においては、解決をするためには裁判などの対決で解決するのではなく、話し合いなどの対話で合意をすることが特に重要です。紛争終了後も、当事者双方が同じ場所で長い時間、生活をしていく必要があるからです。

以前、社内で裁判を起こし勝訴して、その後に社内にとどまっている有能社員の方が話題のニュースを見たことがあります。

しかしその方の話を聞いていると、有能な社員であるその人にすらもも、紛争後の会社からの空気は冷たいのだと知りました。これほど成績もよく会社にとって貢献度の高い人であっても、争いを起せば居心地は悪くなるのですね。

私は、社内で争いきったあとに、その場で今まで通り生活をしていく自信はありませんし、できませんでした。ですから、労働紛争で合意を得ることの重要性は痛いほどわかるのです

・・・・前置きが長くなりましたが、その前置きを踏まえ、今日は「脅迫」という不毛な手段で交渉に臨んでくる使用者を、建設的な話し合いの場に参加させる方法を述べていきたいと思います。

さあ、合意を得るための具体的な行動を起こしましょう。

まずは、話し合いで対決姿勢を前面に打ち出すことをやめておきます。

相手はすでにあなたに対して脅迫をしてきているのです。聞く耳はほとんどないと言っていいでしょう。あなたの反発に、警戒して身構えている、というのが本心だと思います。

★対決姿勢を前面に打ち出さないことについての記事はこちら。

相手が話し合いをする気もない姿勢であってもあきらめません。話し合いをする気の有る無しにかかわらず、まずは相手の言い分をしっかりと話してもらうのです。

その時、相手の言うことにイチイチけちをつけたり、反論しません。存分に話してもらいます。

ここで新たに脅迫されても、脅迫は不毛であり、かつ互いの解決にならないことを伝えて、とにかく言い分を聞きます。

そうすることで、話し合いをする気がない相手も、少し態度を変えるかもしれません。あなたが相手の言い分をしっかりと聞くことで、相手の心の身構えを少し緩和させる結果を産むかもしれません。

そうなると、本格的な話し合いに入ることができる可能性が生まれます。ここで初めて可能性が生まれるのですね。

相手の言い分(中には自己中心的で傲慢な言い分もある)を聞き続けるのは、思った以上に大変です。

しかし態度を硬化させている使用者を交渉の場に引きずり出すには、相手の言いたいことを存分に聞いてあげ、感情のしこりを緩和させることが重要だと思います。

妥協をする必要はありません。今の段階で合意も不要です。

多くの人は脅迫という汚い手段を用いられると、腹がたちケンカ腰になり、互いにののしり合う最悪の結果になります。

そうされた時は、とにかく相手の言い分をだまって聞くこと。口も挟まずに聞くこと。

今はただ、話し合いをスタートさせるために全力を注ぐのです。

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