意外に思われるかもしれませんが、会社内のイジメのほとんどは、同僚によってなされるのです。
職場でのイジメと聞くと、傲慢な使用者や上司がある特定の労働者に的を絞って、組織ぐるみでイジメをする、というイメージがあると思います。
しかしこのようなケースは実は少数なのです。職場でのイジメで最も多いのは、同僚が同僚をイジメるパターンなのです。
ここで皆さんの記憶に働きかけたいと思います。
あなたの社会人としての記憶の中(アルバイト時代も含む)で、ありませんでしたか?同じ職場でのイジメが。
例えば、仕事が遅い、とか、物覚えが悪い、とかでいつもベテランの同僚らに冷たい扱いをされている人はいませんでしたか?
『そんなもの、その人にも問題があるから仕方ない。それはイジメじゃない』
そう思った方はいませんか?
その言葉、どこかで聞いたことがある。そう、中学生のいじめの中で、加害者が言い訳をするとき、もしくは周りで見て見ぬフリをしていたクラスメートが、自分への責任を回避するために言う言葉です。
周りにとってはささいな陰口でも、それを言われた本人はとっても辛いのです。言われた本人だって、生活がかかっているから仕事を辞めることはできない。つまり、逃げることが出来ないのです。そのような状況で言われる言葉は、まさに傷口にナイフを刺すようなものでしょう。
その痛みは、確実に残酷に、被害者たる労働者を追いつめます。
あなたは、同僚と人間関係をうまく構築できずに去って行った人を見たことありませんか?あなたの周りの人にも、人との関係が原因で会社を去った人はたくさんいるはずです。
考えてみてください。同僚も同じ従業員です。ちょっとくらい仕事が早くできたって、ちょっとばかし入社した時期が早くたって、しょせん同じ会社にやとわれている労働者なのです。
勘違いをしないで欲しいのですが、このページでは、従業員たる立場を軽く見る考えは一切ありません。私も同じく、会社にやとわれて生活費を稼いでいる人間です。
同じ立場の人間同士がわずかばかりの優劣をネタにして見下しあっているのは、なんと見苦しくて愚かだろうか、と言いたいのです。
ですから、みなさんの心の中に、新たに認識を持ってもらいたいのです。職場でのイジメは、多くは同僚の心ない行動によってなされている、と。
あなたも私も、いつ加害者になるか分からないのです。