ハローワークにも死刑宣告に似たシーンがあります。失業保険不支給等の時です。死刑宣告に例えるとは、なんとも大げさな話だと思われるかもしれません。なぜそのような大げさな例えをするか?
このブログの読者には、会社の不当な行為で突然仕事を奪われた人もいるはずです。そのような人は仕事で食べていくための術を失っているのです。その人にとって、失業保険をもらえるかもらえないかは大変重要なこと。そんな時に、不支給の決定はどれほど大きなショックを与えるでしょうか?
さて本題に入りましょう。
失業保険をもらうことができない理由はたくさんありますが、今日は最も深刻で許されない例を挙げます。
それは、自己都合退職だと判断されたがために、雇用保険を支払っていた時期(つまりは入社してから退職するまでの期間)が短くて失業保険を支給される条件を満たさなくて不支給になる場合です。
自己都合退職の場合、1年間在職して雇用保険に加入していないと失業保険はもらうことができません。しかし会社都合で辞めた場合(解雇・会社の倒産など)は6か月加入でもらえるようになります。
嫌がらせやイジメ等を受けて耐えられなくなって辞めた場合、理由はどうあれ外見上は自己都合退職です。
もちろん、ハローワークで異議を唱えればいいのですが、それが認められない場合、自己都合退職と会社都合退職の加入期間の条件の差で、失業保険不支給になる可能性があるのです。
※「社会は厳しい。経営者にも都合がある。仕事ができないなら、クビになっても当然だ。」という批判は、今この場では必要ありません。この記事は、不支給の決定に対してどのように食い下がるかを説明する記事だからです。そもそも、すぐに仕事を辞めることをどうして「悪」だと決めつけるのでしょうか?経営者の強引な首切りに対して、「経営者にも言い分があるから・・」と擁護するのに、辞める労働者に対しては厳しすぎるのではないですか?
その場合はどうするべきか?
まずはハローワークで、失業保険支給手続きの中で見せられる離職票について、退職理由の記載欄の確認をされるときに異議を申し立てることです。
ハローワークには、会社が提出したあなたの離職票が提出されています。支給手続きの中で、職員が離職票の退職理由記載欄に会社が記入した内容を見せ、確認を求めます。
※あなたが会社に持っていく書面は『離職証明書』。会社はあなたが退職すると、離職票をハローワークへ、そして離職証明書をあなたへ郵送します。
嫌がらせやイジメなどであなたが会社を辞めた場合、その離職票や離職証明書の退職理由記載欄にはおおかた以下のように書いてあります。
『自己の申し出により退職』
その記載に異議を申し立てます。実はかれこれこういうことがあって、本当は辞めたくなかったのだけど、致し方なく辞めたのです、と。
そうすると職員があなたが退職するまでの経緯を記入する用紙を持ってきます。
その用紙に、あなたの覚えている範囲の内容を書いていきます。できることならば、嫌がらせの過程で受けた証拠(辞令や、嫌がらせ内容を書き記したノートなど)をその場に持参し提出し、自己都合退職と判断され不支給になったならば、審査請求をする思いだと伝えます。
多くの場合、用紙に記入した後、少しの時間をおいてその場で自己都合退職か会社都合退職かが決定されます。
注意点を一つ。応対した職員は多くの場合、直接に判断を下す人間ではないので、あくまで協力を求めるつもりで普通に対応すべきです。互いが不快な気持ちになることを回避できる可能性が高くなります。目的は失業保険をもらうことです。ケンカは必要ありません(侮辱や暴言を吐かれた場合は我慢する必要はありません)。
自己都合退職だと判断された場合は、その場で審査請求の意思を伝えます。難色をしめしても、断固とした意志で審査請求の手続きを求めます。