労働紛争における話し合いにおいて、相手が脅迫をしなくなり、かつあなたに話をする姿勢を見せるようになったら、大きな進展だと言えます。
ここで焦って、こちらの意見を押し付けるようなことはしないこと。
大事なのは、こちらの要望も言いつつ、相手の要望とこちらの要望の両方を満たすような建設的な案を一緒になって生み出すことなのです。
相手の要望ばかり受け入れたのでは、何のために立ち上がったのかわかりません。しかし、こちらの意見ばかりを強硬に主張するのでは、再びケンカ腰な交渉となってしまいます。
話し合いに乗り気になった相手と、建設的な対話を継続していくための留意点を以下に示しましょう。
◆ 一緒になって、代替案を生み出すこと。
◆ 相手の合法的な要望に対しては、快く応じる姿勢を示すこと。
◆ 相手の人格を否定しない。焦点は不当な行為のみに絞る。
◆ こちらの要望を、しっかりと代替案に入れてもらう。そしてそれは、相手の勇気ある譲歩によって得られた形をとり、そしてその勇断に深い尊敬の念を示すこと。
・・・これらの点を常に注意し、話を進めていきます。
もちろん、これらの姿勢を示しても、まったく話にならないケースもあります。しかしそのような相手ならば、脅迫をし続ける姿勢すらも崩さないのがほとんどです。
ですから、話し合いに応じる姿勢を示した相手ならば、かなりの確率で、以上の姿勢を示したこちらとの話し合いに、前向きな取り組みを示すでしょう。
話し合いに応じる相手である以上(形だけの交渉参加の相手は除く)は、こちらも攻撃的な姿勢は慎まなければなりません。
労働トラブルに対し戦う決意した目的を忘れないようにしましょう。
このトラブルを解決したいからです。解決するための一番有効で迅速な手段の基礎は、「建設的で真摯な話し合い」です。
この段階で、互いが納得できるような代替案を共に生み出すことに集中しましょう。