前の会社の同僚の言葉です。ソウル(魂)を重視するミュージシャン希望の青年です。
お金が無かろうが、名声が無かろうが、彼自身のソウルさえ熱く燃えていれば、いつでも夢を追うことが出来る。
寝ているときでも、夜でも、食事中でも、ソウルさえ燃えていれば、突然ひらめきが来る。熱くなれる。
彼はそう、私に語ってくれました。
彼は今どうしているのでしょうか?でも結果はいいのです。彼がソウルを煮えたぎらせ、周りにいた私たちに影響を与えていたのは間違いなかったのですから。
彼が今どのような仕事をしていようと、そして音楽関係の仕事についていようと、ミュージシャンになっていようと、影響をいただいた過去は無くならない。
あの時の熱いまなざしは、会社の不当な行為に怒りを覚え、かつそれでも反論できなかった自分の弱い魂に、とてもまぶしく映ったのです。
彼の口癖は、「今でもソウルは燃えているか?」でした。
聞いてみると、彼のオリジナルではないらしい。少年誌に連載されていた音楽関係の漫画の中で、主人公の友人が言った言葉らしい。
彼はその言葉を、常に自分に言い聞かせているらしかった。
ソウルの内容について、いろいろと語ったことがある。
彼のいいところは、燃えるべき内容は何でもいい、とのことでした。
彼自身、音楽に燃えることは、周りの嘲笑を買うだけだったとか。意外な事実です。しかし考えてみれば、大人の意見なんて、「ミュージシャンなんて簡単になれるわけがない」という内容がほとんどなのは想像がつきます。
彼はそんな苦い記憶もあり、せめて何かに燃える人間の心は、理解してあげることから始めたい、と言っていました。
あの若さ(当時)で、なかなかそこまでは考えられません。
労働紛争は、使用者と労働者の意見のぶつかり合いの場だと言っても過言ではないでしょう。
そこで常にソウルを燃やす。そして相手の意見に熱いソウルを感じたならならば、こちらも誠実に、しかも真剣に話を聞く。
建前や社交辞令は要らない。
私も、迷った時は常に、問いかける。
『私よ、今でもソウルは燃えてるか?』