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「自分の非を棚に上げてしまうこと」のススメ

会社と労働紛争をするとき、自分にも非があることを気にしていてはいけません。戦う時は自分の非を棚に上げてしまい、後は戦いに集中しましょう。このページでは、自分の非を棚に上げて戦うことの意義・方法・注意点に触れていきたいと思います。

会社側が不当な行為をするときに、当該行為を正当化することのメカニズム

 労働紛争においては、どちらか一方が圧倒的に問題であるケースが多いと言えます。しかし会社と戦う人の中には、己側に存在する責められるべき点(このページでは『非』と呼びます)に心を痛めている人がかなりいるのが現状です。

 会社側による不当な行為が発生した時、その「非」こそが当該行為の原因だと言いがかりをつけられる、というケースが多いのが理由です。

 しかし、ベテランか新人かに関係なく、ほぼすべての労働者が経営者の100%思うようには動けないものです。100%思うように動くならば、それこそ四六時中経営者の望むであろうことを考え行動しないといけません。そのようなことは普通は極めて難しいでしょう。

 つまりそれは、経営者には個々の労働者にそれなりに言いたいことがある、ということです。言いたいことの度合いが多いか少ないかだけのの違いです。どんなに優秀な従業員であっても、経営者は「この点についてはこうしてほしい」といった希望や不満を持っているものです。

 しかしその希望や不満が、会社側が不当な行為を強行する時、当該行為を正当化させる材料になってしまうのです。

 労働者が反発をすると、会社側は「そうは言うが、君は~だから、致し方なくそうさせていただいた」といかにも会社側の行為が正当であるかのような発言をします。その発言で労働者の心の中に自責の念を感じさせ、反発しようとする気持ちを奪います。

 加えて、「君の同僚らも君の~に対して不満をつのらせている」と言い、さも労働者が皆から批判されているかのように強調し精神的に孤立させてきます。

 これらの言葉、会社で散々人に気を使って仕事している一般的な労働者の方にはとても辛いものでしょう。経営者や上司、同僚などほぼ全ての人に認められたい。嫌われたくない。みんなは私のことどう思ってるんだろうか?私の評価は?そのような気持ちを潜在的に、しかし強く考えている労働者の気持ちを、奈落に突き落とす言葉と言っても過言ではありません。

 ・・理由が何であれ、会社側が不当な行為をした事実は消えません。その事実だけでも、労働者は会社側と戦う正当な理由を得ているのです。

 しかし以上に述べたような理由をこじつけられると、辛い気持ちになるのも無理もありません。そこで以下で辛い気持ちを克服する方法を紹介したいと思います。

己の非を責められた時の辛い気持ち克服法 ~「己の非の棚上げ」と「本当の理由の推理」

 会社側に労働者の「非」を理由に不当な行為をされた場合には、「非の棚上げ」と「本当の理由の推理」をすることが、辛い気持ちを克服し戦く気力を持つうえで有効になります。

己の非の棚上げ

 仕事内容にまったく妥協せず、社内規則や社内憲章通りに忠実に行動し、手も気も抜かないで仕事をし続けている・・・そんな同僚があなたの周りにいるでしょうか?ほとんどいないと思います。

 会社側は不当な行為をする正当な理由として、あなたのささいな欠点をとりあげ、責めているだけなのです。そうでなかったとしても、そう考えましょう。

 棚に上げてしまって、同僚らに嫌われないだろうか?今回の棚に上げを自慢げに話したり、同僚らに八つ当たりしたり、己の考えを押し付けさえしなければ、避けられることはあっても嫌われ攻撃されたりすることはないでしょう。同僚らは、自分が巻き添えを食ったりするのを嫌がるだけだからです。

 嫌われるのは、経営者にだけです。しかし権利を主張すれば心配してもしなくても嫌われてしまうのです。だからといって、棚に上げる時、経営者を含む会社側を必要以上にののしり攻撃するのは行きすぎかもしれません。人道に反するから、というのではありません。ただ、「話し合い」による解決の道を絶ってしまうからです。

本当の理由の推理

 そして今回不当な行為が行われている真の理由を考えてみましょう。

 なぜ特定の従業員の給料が減額されたのか?なぜ特定の従業員が部署を転々とさせられるのか?なぜ自分だけが上司に必要以上に怒鳴られ続けるのか?

 例えば、特定の従業員の給料が減額された場合を考えてみましょう。ここでは想像力を使います。しかし難しく想像する必要はありませんよ。

 経営者は、なんらかの理由により人件費を削減したいと思っていることが考えられます。ある労働者に支払う給料額が、世間の相場、もしくはその働き具合に比べて高すぎると考えているのかもしれません。

 しかし給料を減らすにはそれなりの理由が必要になります。経営者の考え一つで減額すると、トラブルに発展する可能性が高いからです。

 そこで経営者は、特定の従業員のアラ探しで見つけたアラを理由にして減額を強行します。アラを理由にすれば、対象労働者は委縮し己を責め、今回の行為について何も反論しなくなり、トラブルに発展することなく人件費削減を実現できます。

 このように連想します。連想は「棚上げ」しようとする気持ちを助けてくれます。

 連想は、大雑把で構いません。そして、考え付くことは、よほど現実離れしてない限り、だいたい当たっているものです。

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