トップページ > ブラック企業に泣き寝入りしないための「原因と対策」講座 > 「弁護士の助言が消極的で依頼を受けたがらない」の対策

「弁護士の助言が消極的で依頼を受けたがらない」の対策

 専門家が依頼を受けてくれない、あるいは「次の職場を探した方がいいですよ」などというアドバイスしかくれない場合、どうしたらいいのでしょうか?

 この泣き寝入り原因に対する対処法は、主に以下の2つの方法が考えられます。

 これらの対処法は、当然の方法だと考えられるかもしれません。しかし、当然なのだけれど、意外とこれらの対処法が行動に移されないままに、不当な行為を受けた労働者の皆さんは権利を主張することをあきらめてしまっているのです。以下で、2つの対処法について、私なりの道しるべを示したいと思います。どの対処法も、進む道中は険しく大変です。しかし、現状に甘んじ泣き寝入りに走るよりは、はるかに有意義です。

弁護士に頼らず、自分自身の力で交渉・和解・訴訟を行う

 先ほど、労働紛争は訴額の割に難解な事件となりがちである、と述べました。確かに労働紛争ほど、個々の事件の事実関係によって勝敗結果の左右する事件もありません。労働事件は、個々の事件の細かい条件や要素によって、両者の過失とその責任について非常に細かい判断をする傾向を持っています。

 しかし、だからと言って常に専門家に頼まなければ解決ができない、というわけではありません。

 そもそも、一体何をもって「解決」というのか?「解決」とは常に勝利を伴わなければならないのか?ある事例に立ち向かい、人事を尽くしそれで臨む結果に至らない場合、何も残らないのでしょうか?

 専門家が取り組んでも、勝敗の行方の分からぬ事例は、そのまま行方が分からないままなのです。専門家に頼むことの利点とは、煩雑な手続きに頭を悩ませなくてもいいという点と、相手方からの直接的な攻撃にさらされるという苦痛から解放されるという点なのです。、

 もし専門家に助けをもらうことができないなら、そして責任を追及したい、泣き寝入りは嫌だ、という強い意志があるのならば、その紛争の行為主体をあなた自身で演じるのがいいでしょう。

 相手(会社)の使用者や法律顧問に「素人」と見下されてもいいのです。あなたの目的は、不当な行為に屈しない、ということなのですから。周りで嘲笑する同僚がいるならば、そうしておけばいい。彼らは、そのトラブルが我が身に降りかかった時、あなたのごとき誇り高き戦いはできない。結果はどうあれ、その事例に自らの力で立ち向かうことこそが重要なのです。

 労働紛争は、専門家に頼むにしても、情報の収集や事実関係の整理について、当事者たる労働者の主体的な参加が必要です。事実関係については、その労働者自身が一番よく知っているからです。そして職場で周囲の対応と戦うのは、明らかに労働者自身。

 専門家に頼ることができてもできなくても、労働者一人だけで戦う選択肢も、常に持っておくべきだと言えるでしょう。

※ 法律専門家に頼むことについては、 労働紛争に負けないための戦略論 の 労働紛争解決の専門家に依頼する時の心構えと注意点 参照。

専門家の目で判断しても、「労働者に十分な勝算がある」状態にもっていく

 労働事件の大きな特徴の一つとして、責任を追及すべき資料が労働者の手元にほとんどない、という特徴があります。

 また、トラブルの一場面一場面ごとに労働者がとった行動が、相手(会社)に有利な状況をもたらしているというケース(感情的に啖呵をきる・安易な同意書の提出など)も多く見られます。

 専門家はあなたとの面談の中でこれらの勝敗を分かつ要素を聞き取り、あなたの紛争解決の意志・望む結果を考慮して、複数の進むべき道筋を提示します。責任や追及したり不当な行為の事実を証明したりする資料がほとんど無い、またはあなたの紛争解決の意志が弱かったり、不満は強いが相手との関係は少しも壊したくない、などの矛盾した考えを伝えるならば、消極的なアドバイスを受けることになります。

 ですから、専門家をその気にさせるための準備をするべきでしょう。不当な行為が行われた場合、とりあえず相談に行ってどう対処すべきかを聞くことは非常に有意義なことです。その時聞くべき内容は、いかにして不利な状況を打開するために職場や家庭での日々を送るか、ということ。そこで聞いたアドバイスを参考にし、会社生活の中で資料を集め、毅然とした態度を貫く。経済的な憂いにメドをつけ、家族の賛成をある程度得ておく。そのうえで依頼を前提に相談に行くことです。

 ・・・ここで、あなたが専門家の力を借りて戦うことを前提にして対処法をまとめてみましょう。

 最初の相談では、戦う場合について、どのような対応をしたらいいのか・どのような資料を集めたらいいのかを相談します。その助言をもとに、専門家の目で判断しても、「労働者に十分な勝算がある」状態にもっていく努力をします。

 ある程度の目標を達成したら、その現状で力になってくれる専門家を探します。その時になったら、消極的な意見を述べる専門家の言動を気にしてはいけません。彼らは力になる気がない、または力になることができない専門家であるのだから。あなたは十分な準備をしたのです。戦うことで影響を受けるのはあくまであなた自身であり、専門家ではありません。消極的なことを言われたら、笑顔でその場を去り、また別の専門家を探すだけです。

◎ブラック企業と戦う場合の準備は

ブラック企業と戦うための準備

ブラック企業と戦うための証拠の集め方・活かし方

◎ブラック企業と戦う時の計画や戦略は

ブラック企業に負けないための戦略論

免責事項

 当サイトは、利用者が当サイトに掲載された情報を用いて行う行為について、一切責任を負うものではありません。

 法律等は頻繁に改正等が行われますので、あくまでも参考としてください。また、本サイトは予告なしに内容を変更することがあります。