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「弁護士の助言が消極的で依頼を受けたがらない」の原因

ブラック企業に泣き寝入りしてしまう原因の一つに、弁護士が依頼を受けたがらない、消極的な助言ばかりで出鼻をくじかれる、という原因があります。このページでは、なぜそうなってしまうのか?の原因の構造を説明します。

労働紛争を弁護士等の専門家に相談する時の現状

 あなたが所属する会社から、露骨で分かりやすい嫌がらせ・不当な扱いを受けているとします。その場合、労働トラブル解決の専門家たちに相談したとしましょう。そして具体的に解決の見通しを聞きつつ手助けを依頼したとします。その時専門家たちは、あなたの依頼を快く引き受ける、またはあなたの手助けを進んでしてくれるでしょうか?

 現実は・・相談に応じることはしてくれるでしょうが、快くあなたの手助けをしてくれることは、難しいかもしれません。

 例えば、労働事件で、裁判を起こして会社の責任を追及する決断をしたとしましょう。専門家に頼む道を選びます。裁判の代理人になることが出来るのは、弁護士しかいません(一部司法書士も可)。

 しかし、それはあくまで引き受けてくれる可能性がある、と言うだけであって、頼めば必ず引き受けてくれるという訳ではありません。弁護士等の専門家は、受けた依頼を必ず引き受けなければならない義務はありません。あくまで裁判代理人の業務は、双方の委任契約が成立することによって、始まるのです。

 なぜ快く応じていただけないのか?それには、明確な理由があります。その理由について、以下で触れてみましょう。

なぜ弁護士らは労働紛争の受任・手助けに対して消極的なのか?

 なぜ、専門家たちは労働紛争の受任・手助けに対して消極的なのか?この問題は、このページの最大のテーマです。

 それは、労働事件を引き受けても、専門家にはメリットが少ないからです。また、彼ら(専門家)の頭の中で、依頼者の為にもならない、と判断されるという理由もあります。よって相談の場で「それほどのお金と時間を使っても、見かえりは少ないですよ」と言われることが多いのです。

 多くの労働紛争の場合、請求額は500万円を超えません。弁護士らは、着手金と裁判手数料の他は、成功報酬(おおむね裁判によって勝ち取った金額の10~20%)を頂きます。例えば訴額が500万円の裁判に勝ったとしても、弁護士には50万円と着手金の5万円くらいしか手に入りません。

 しかし「成功報酬」ということですので、敗訴したら弁護士は着手金・諸経費くらいしかもらえません。諸経費は事件の受任期間に弁護士が移動等で自らお金を支払ったものであり、諸経費を依頼者にもらっても利益ではありません。

 利益が少ないからといって、労働紛争は勝負が簡単ではありません。裁判例を見てもわかるように、条件が少し違えば勝ったり負けたりするのです。労働事件ほど、個々の事例によって結果が変わる事件もないからです。

 これは、労働裁判で勝訴を勝ち取るのは難易度が高いことを意味します。加えて、労働紛争は労働者側に手持ちに証拠が少ないか、新たに証拠を取るのが難しく、裁判では高度の論戦が必要となってしまいます。長期化も避けられません。

 負けるかもしれないし、勝ったとしても成功報酬は少ない・・・。専門家が依頼を受けるのを嫌がるのが容易に想像出来ます。地道な活動を続ける労働専門の弁護士もいるようですが。

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