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「同僚らが見て見ぬフリをして助けてくれない」の対策

 同僚らが見て見ぬフリをしたり、使用者と一緒に危害を加えて助けてくれない理由は、 「同僚らが見て見ぬフリをして助けてくれない」の原因 である程度分かっていただけたと思います。

 このページではそこで述べた原因について、具体的な対策を論じていきたいと思います。対策としては、以下のものが考えられます。

 あなたが実際に対策を講じることができるように、以下で具体的に説明していきましょう。

攻撃されないための「ブラック企業に対抗できる力」を身に付けておく

 同僚らは、労働者が立ち上がった事実だけをもって、見て見ぬフリをしたり無視したり攻撃するわけではないのです。

 会社が当該労働者に対して著しい嫌悪感を抱くか、または立ち上がったことに対する報復がなされることによって、我が身が巻き込まれることを恐れて見て見ぬフリをし始めるのです。

 であるならば、会社に報復等をできない環境を作り出せばいいことになります。報復等がしたくてもできない環境こそが、ここでいう「対抗力」と言えます。

 考えられる対抗力・・・これを手に入れるのは困難と言えるでしょう。しかし使用者が横暴である会社であればあるほど、対抗力がない労働者は過酷な報復行為にさらされるのです。その「対抗力」とは、『労働者同士が団結した力』と『会社の不当な行為を容易に追及しうる力』だと思います。

労働者同士が団結した力

 会社が最も恐れていること、それは間違いなく「労働者同士が団結」することなのです。

 現行の憲法では労働者の団結権が保障され、ひとたび労働組合という形を取ろうものなら、会社にはその勢力を無視できない様々な義務が生じます。

 またストライキなどの団体行動を取られることで、それが多くの人の目に触れることで地域や得意先にマイナスのイメージを持たれることを非常に恐れています。

 会社は最初、組合を結成したり外部の労働組合に加入した労働者を他の労働者の前で誹謗中傷するでしょうが、組合活動の本格化で報復行為を取ることができなくなります。適切な組合活動は、報復行為の事前の予防に最も効果的な方法だからです。

※ 外部の労働組合に入る・労働組合を作る 参照。

 しかし使用者の性質が傲慢であればあるほど、組合結成の仲間を集めるのは困難を極めます。また外部労働組合に加入しても、その脅威を示すまでの間は、多くの報復を受ける懸念があります。

 最も強力だが、最も得るのが難しい対抗力だと言えます。

会社の不当な行為を容易に追及しうる力

 労働者が立ち上がった時に権利を主張するために、不当な行為があった事実を証明しうるものがあると何かと便利です。そういう証拠や資料があると、相談先に対しても自己の本気度を見せることができるし、請求しうる権利の所在がはっきりし、勝負の焦点が絞りやすくなります。

 しかしこれらの証拠・資料は、相手の懐にあるのが一般的です。ですからこちらから取得するには、それなりの準備と工夫、我慢が必要です。

※ 様々な証拠の活かし方 ~労働法違反の基本的対処法③ 参照。

 権利の主張を容易にするこれらの資料や証拠は、それが不当な行為を証明するのに適格であればあるほど、会社はあなたに対して粗末な扱いをしなくなります。そのうえで、先ほど述べた「団結」などの対抗策を加えると、より一層会社内での地位を守ることができます。

 しかし資料や証拠を盾に闘うということは、全面戦争も変わりありません。使用者との人間関係のしこりは少なからず残ります。よって、必要以上に感情的にならず、不当な行為の中止だけを願うスタンスがいいでしょう。組合を結成している場合と違い、あくまでこちらは一人なのですから。

立ち上がる時は、内密に、同僚にも知らせずに静かに行う

 職場の同僚から冷たい態度を取られるということは、職場の同僚らが権利を主張した事実を知っているから、なのです。ですから、権利の主張は「内密に、静かに」を心がけてするのがいいでしょう。

 助けてくれるかどうかも分からない同僚らに宣伝して回る必要はありません。あなたが本当に信頼できる人にだけ打ち明ければいいのです。

 もちろん、いつの日か同僚らに知れ渡るかもしれません。その場で冷たい態度を取られる可能性もあります。しかし知れ渡るまでに信頼できる人を少しでも多く探すなどの対策も講じることができます。

 派手に宣戦布告をすることは本人の気持ちを満足させるでしょうが、労働紛争のように当事者の戦力に大きな差がある戦いでは、取るべき方法ではないと思います。

※ ブラック企業と戦うため準備 の ブラック企業と戦う準備が整うまで「宣戦布告」は控える 参照。

真に力になってくれる人を所属する職場で少数でいいから集め、いざ立ち上がった時に通常通り仕事ができる態勢を作っておく

 表だって一緒に闘ってくれる人だけが仲間ではありません。たとえ表だっては誰も一緒に闘ってくれなくても、心の中で分かっていてくれる人がいるというだけで、孤立奮闘する労働者はどれほど大きな安心感を得ることができるでしょうか?

 職場の人間すべてに心の底から疎まれた場合、その職場で普通に仕事をこなすことは非常に難しくなるでしょう。ですから、水面下でつながっている人間を少しでも増やすことです。

 立ち上がる決心をした時、周りの信頼できる人たちには、こう告げるのです。

 「立ち上がるつもりだが、皆に迷惑をかけるつもりはない。表だって助けてくれとは言わない。仕事の時だけ普通に接してくれればいい。」と。

 つまり、労働紛争はあくまで「自分一人で闘う」ことを伝えて、それ以外の時は普通の対応を望むのです。心ある普通の人間であれば、その申し出を無理には断らないでしょう。

 「同僚らが見て見ぬフリをして助けてくれない」の原因 でも言ったように、人間は自分の安全が確保されていれば、人に親切心を見せることができる生き物なのですから。

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